表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/8

終、

……やっと、人になれる。

アリアはそっと瞳を閉じた。

体から、黒くおぼろげな光りのようなものが出てくる。

同時に、どこからともなくやってきた白くはかなげな光が、彼女の体に入っていった。

それらはアリアの心だ。

死神として生きるために‘本物しろ’の心を捨てた、アリアの‘くろ’の心。

瞳を閉じて詠唱しているカオスたちにそれは見えない。

もちろん、アリアにも。

「今、死神‘アリア・レマード’を人にする」

儀式では、この言葉を最後に言う。

アリアはそれを聞いた。

……あぁ、もう姉さまに会う事は無くなるんだ……

閉じた瞳からは、涙が一粒。

頬をつたい、ゆっくりと落ちた。


私は、手元の本から窓の外に瞳を移した。

『気がつけば、もう十一年も前になるなぁ……』

私は人となり、赤ん坊からやり直したのだ。

私には、美音みおんと名付けられた。

三年前、私は自分が死神だったことを思い出す。

当時八歳だった私は、訳が分からず、昔見たアニメか何かだと思っていた。

でも、二年前のある日。

プロの占い師に前世を占ってもらったら、

「あなたの前世は死神でしょう」

と、言われた。

『あの時はびびったなぁ』


「美音!」

たそがれていた時、教室のドアが開いて、私を呼んだ。

「あ、芽衣。おはよ」

「あの噂ってホントなの!?」

「へ?何のこと?」


「美音の前世が‘死神’ってこと!!!」


私は少しだけ驚いた。

そして、微笑んで、

「ホントだよ」

と、前世の死神と似た、長髪をなびかせて言った。

この物語は、フィクションです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ