六、
「か、カオス姉さん・・・・・・」
「わかりましたね!!!!!」
カオスの言葉は強かった。
だが、涙のあふれるその瞳は、確かにアリアを見据えていた。
「わかりました。思う存分、楽しさと幸せを、感じてきます」
「それで・・・いいのですよ・・・」
物陰に身を潜めている黒いローブをまとった青年。
ロッド・クレイアは、身動きが出来なかった。
はじめて見るカオスの涙に、動揺しているのだ。
『カオス様・・・レマード様が人の子になられるのが、悲しいのですね』
だがロッドには、カオスの気持ちが痛いくらいにわかる。
彼は数年前に、弟を死神にしてしまった経験がある。
同じ地位にいた大事な肉親が、まったく違う街へと、姿を消すのを彼は見た。
彼の足元に、神風があたる。
そしてロッドは、ゆっくりとその部屋をでた。
瞳には、懐かしい日々を思い出して浮かべた涙を光らせて。
「それではこれから、死神‘アリア・レマード’を‘人’にします。ガイア!タルタロス!エロス!エレボス!ニュクス!手伝いなさい!」
部屋に、カオスの声が響く。
「へいへい、分かりやしたよ」
「了解した」
「オッケー!いつでもどーぞー」
「んあ?・・・了解」
「はいよ〜、何すればいいのかしら?」
すると、部屋の四方八方から‘神たち’が出てくる。
上からガイアが、右上からはタルタロス、右からエロス、左からエレボス、そして左上からニュクスが出てきた。
これから、アリアを人にするための‘儀式’が始まる。




