二、
カオス(古典ギリシア語:X'aos英語:Chaos)、
ギリシア神話に登場する原初神。英語の読みで、ケイオス。
この世が始まったとき最初に無の空間に誕生した神で、混沌を神格化したもの。
カオスは、一人でガイア(大地)、タルタロス(奈落)、エロス(愛;別説有)、エレボス(暗黒)、ニュクス(夜)といった神々を生んだ。
原義は大きく開いた口、空っぽな空間の事だったらしい。
そんな神の頂点に、不可能な事はない。
『死神を人に変えるかわりに、悪魔が一つ犠牲になる』
解っているはずなのに、アリアは‘人’を選んだ。
ロッドが向かっているのは、神の領域
神様が集う、唯一の場所と言われている。
人間界の遥か上、死神街の隣に位地する。
‘隣’と言っても、約三百メートル離れた所にある。
ロッドは、三百メートルもの距離を二十秒で走り抜けた。
そこには、死神街とは正反対の真っ白な世界があった。
青い空に白い雲の大地。
神殿のような柱に、真っ白な外壁。
まるで、人が建てたもののように頑丈だった。
その建物の壁をなぞるように進めば、白く大きな門がある。
ロッドは門をくぐり抜け、神の頂点に君臨するカオスの元へと急ぐ。
カオスのところまで、三百メートルもない。
「あ〜、つっかれた〜」
大きく伸びをし、真っ白なベッドに身を倒す。
彼女の名は、カオス。