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掌編小説集10 (451話~最新話)

ジェル

作者: 蹴沢缶九郎

休日の昼下がり、その部屋に越してきて間もない青年は暇を持て余していた。


「ああ、何か面白い事はないだろうか」


布団の上で横になり、何気なく寝返りをうった青年の視線は、部屋のある一部分で止まった。家財道具の少ない青年の部屋、テレビ台の隙間から、奥の壁にコンセントがあるのを発見したのだ。きっと越してきた時、コンセントの存在に気づかずにテレビ台を設置してしまったのだろう。


「こんな所にコンセントがあったとは」


青年は自分のそそっかしい性格に苦笑し、テレビ台を移動させると、スマートフォンの電池残量が残り僅かだったのを思い出し、スマートフォンに繋げた充電器の差し込みプラグをコンセントに近づけた。

だがそこで青年は異変に気づく。コンセントの差し込み口から何やら透明なジェル状の液が漏れていた。


「何だこれは!?」


青年は恐る恐る手を伸ばし、コンセントから漏れる透明のジェルに触れてみた。粘りけがあり、臭いを嗅ぐと鼻をつく不快な腐敗臭がした。

正体は分からなかったが、そんな事はどうでもよく、青年はいち早く不快なジェルを拭う為、台所に雑巾を取りにいった。


しばらく使われる事のなかった電気の残りカスが腐り、コンセントから漏れていたのだ。

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