表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/10

第二話  現状(リアル)

 夜はゴールデンタイム、とかのたまってネトゲにいそしむ。すると、そのうちイヤホン越しに聞こえてくる、朝刊配達員のバイクのエンジン音。そんな毎日を過ごしていた。俺は"学生さん"の中でも高校生、という職業。だからある程度の成績を取るためにも、授業中に眠ることは出来ない。そして学校が終われば毎日のように課外活動。これがまたスパルタなもので、ひどいときには夜の8時過ぎまで残されることもある。運動部じゃああるまいし──。そう、文化部だ。文化部なんだが...。

弦楽部なんだよな、実は。なんでってか?実はこう見えて、楽器をやってた事がある。小さい頃は、そりゃもう熱心に練習してた覚えがある。物心ついたころには曲なんて1回聴けば引けたっけ。楽しかった。楽しいと思えたんだ、昔は。

 話を戻すと、そんな、ハードスケジュールを組んでいる訳だから、必然的に寝不足になっていくんだよな。

 特に朝方が一番つらい。眠さに負けて中途半端に30分ぐらい寝てしまった時にはもう、明け方地獄のような気だるさが全身を襲う。ある意味規則正しい生活?なのか?これ。

 今日もオールしたため、朝食をとるのにも一苦労だった。なんとかなまくらボディに鞭打って、家を出た。



「────ん。」



──寒さは感じない。けれども肌を冷たくなでるような、凜とした風だった。俺の倦怠魔もいくらか弱まったようだ。

4月22日。そろそろ寒くは無くなってくる頃だが──。

「とりあえず、駅まで歩いてれば、少しは覚醒するかな。」

何気に電車通勤だったりする。けれど、電車の中の可愛い女の子?そんなものが存在するのだろうか。ていうか、まず三次元って可愛い娘はいるのだろうか。量産アイドル系は、顔みんなおんなじに見えるしな.....。などと、ぼーっと考えながら電車に乗り込む。親は、高校生は花咲く青春~とか言っているけど、ちょっとよく分からない。言うなれば永久凍土?花どころかコケすら生えてくる気配はない。

 ぼーっとしてると、気付いたら学校についていた。いくら眠気が覚めたとはいえ、寝てないという事実に変わりは無い。暇な時間に何かを真剣に考えられるような体力は、もう残されていないようだ。....いやまだ朝だっての。


「おはよー、おはよー、おはよっ、おはようハヨー、ハヨー.....」


いつも校門前で滑舌の悪い挨拶をひたすら連呼してる教師。学校に大抵1体はいるんじゃないだろうか。普通の人にはただのノイズにしか聞こえないだろうけど、寝不足の俺にはまるで催眠術のような効果を与えてくれやがる。


 


 一限目が終わった。






 二限目が終わった。






 三限目。 






四限目。


あまりにもつまらなさすぎるあまり、授業中にケータイでゲーム。





五。






六。



教室を移動するので、空いた教室のコンセント、ちゃっかり利用させてもらおうか。




六限目及びケータイの充電───終了。

とっとと後片付けをし、終礼をやりすごし、部活。

そしてスパルタ演習が終わればまた家に帰投する。

寝る寸前まで親にいろいろとごたごた言われ、そしてベッドで寝る、ふりをしてネトゲ。朝刊配達員のバイクのエンジン音。

朝食。

登校。

授業。

部活。

帰宅。

説教。

ネトゲ。






なんかの歌の歌詞であったっけか。




敵なんていないリアルで暇つぶしするだけで良いの?

                     つまんない─



ほんとに。

ぐう正論だ。

現実は、こんなにもモノクロ。希薄。それに気づいたのは、いつ頃からだっけか。気がついたら、分かってしまっていた。



たまにきれい事言ってる連中がいる。

人がこの世に生まれてきた意味?目的?そんな感じの事タラタラと語ってたり、歌ってるのを目にする。

  

そんなこと言ってる奴らに限って、結局はあいまいな結末にして誤魔化す。答えが分からないからじゃない。答えが「無い」からだ。

だったら何のために──。

なんで───。

なんで、生まれてなんか来たんだろうか。

生まれてなんて来なければ、こんなにも退屈な思いしなくてすんだのに。








 唐突に、テレビをつけてみた。


「21日の午前10時半頃殺人事件がありました。犯人は、その後車で──────、警察が──────。」




 

別に俺には関係ない。


最近多いな...。べつに経験値が貰えるわけでもないのに...。逆に貰えるのなら殺すかって言われると、そうでもないんだけどさ...。


テレビを消し、家の二階へ上がる。正面の扉を開けると、そこは俺の部屋。

「今日はさすがに寝ないとな。そろそろ死ぬ。ガチで。」


 夢も何も見なかった。

異世界にいく妄想もしなかった。

ただ、深い眠りに落ちた────。

これはもはや物語ではなくて、但のつまらん日記なのでは──。

ちゃんと好期を与えるつもりではいるのですが、前置き?的なのがちゃんとないと、世界観が分かりづらいかもしれませんので。もう少し辛抱ください。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ