老人とアンドロイド
私は腹の痛みが治まったので、起き上がろうとしたが、起き上がることができなかった。そして、だんだんと目の前が真っ暗になり、私は意識を失った。
ミサは、倒れている老人の側に座り込み、老人の着ているカラーシャツのボタンを外して、腹部を見ていた。
ミサ「電池が壊れたみたいね。不良と私が、強く殴り過ぎたみたい。」
ミサは、老人の首を両手でもぎ取った。
ミサ「最近多いのよね、自分のことを人間と思っているアンドロイドが。特に老人タイプは。」
ミサは、老人のもぎ取った首の後頭部にある蓋を開け、パネルを見た。
ミサ「やっぱり"人間の眼"モードになってる、しかも、痛みを感じる代わりに、静電気が流れるようになってるし。」
ミサは、老人の首と不良2人の首を持って、近くの役場支所に向かった。役場支所に向かう途中、老人の行きつけだったスーパーの前を通った。しかし、それは鉄屑の山で、買い物かごにいろいろな部品らしき物を入れた老人タイプのアンドロイド達が、レジの前で列を作って並んでいた。人間の眼モードの彼らには、その部品が、肉や野菜といった食物に見えているのであった。
ミサは、老人の後頭部のパネル画面を見た。
ミサ「ここでしか、買い物できないように設定されてるわね。」
ミサは役場支所に着き、老人と不良の首2つを受付の中年男の職員に見せて渡した。
中年男の職員「凄いですね、3つですか。あっこの老人は、さっきアンドロイドの首を持って来た人です。」
ミサ「この2つのアンドロイドの首を持ったまま、電気屋の近くで倒れてました、電池が壊れてました。」
中年男の職員「ああ、そうですか、相討ちですかね、首から下の身体は?」
ミサ「老人のは電気屋の前にあると思うんてすが、他の2つは分かりません。」
中年男の職員「分かりました、じゃあ、後で回収をしに行ってみます。」
ミサは、3万円を貰って役場を出て、ひとまず老人の家に帰ると、玄関の所に四角の弁当箱が置いてあった。その中身は、錆止めの油が入っていた。
ミサ「これは、何弁当なんだろう。」
ミサは、錆止めの油を捨て、空の弁当箱を持って入った。派遣会社に頭の中に内蔵された携帯で連絡をすると、今日の仕事は終わりで、もう家に帰っていいと言われた。ミサは、洗面台の鏡の前に立ち、ウィッグを外してメイクを落とした。そして、再びメイクをして、ウィッグを被った。ミサは、鏡の前で呟いた。
ミサ「アンドロイドが、女装をしたらいけませんか?」




