老人とブランコ
かわいい女のアンドロイドが、私の家にやって来た。私は70歳、年金暮らしで独りひっそりと老後をおくっていたが、寂しいのと食事や掃除が面倒になり、アンドロイド派遣会社に、アンドロイドを派遣してもらうように依頼した。そして、今日、朝8時にアンドロイドがやって来たというわけだ。アンドロイドは、黒髪で長さは肩まであり、黒いメイド服を着ていた。身長は160ぐらいで、顔はかわいいアイドルのような感じだ。こんな若くてかわいい話し相手ができ、しかも身の回りの世話をしてくれると思うと、私は嬉しく思った。アンドロイドは、家に上がるとさっそく掃除を始めた。ものすごい速さで、家のあらゆる窓を拭き終えると、私を持ち上げた。
私「おい、何をするんだ。」
アンドロイド「掃除の邪魔です、掃除が終わるまで家に入らないで下さい。」
アンドロイドは、玄関から私を放り投げ、ドアの鍵をガチャリと閉めた。
私は腰から地面に落ち、少しの間、起き上がることができなかった。
私「イタタタタッおい、掃除の邪魔をしないから、家の中に入れてくれ。」
アンドロイド「ダメです、掃除が終わるまで外で時間を潰して下さい。」
仕方なく私は、近くを散歩することにした。
私「こんな所に公園ができたのか。」
私は公園に入り、ブランコに座って少し揺れた。すると、若い男が近寄って来た。
若い男「じいさん、ブランコを揺らしてやるよ。」
私「いや、いい。」
若い男「遠慮するなって。」
若い男は、勢いよくブランコを揺らし始めた。そして、ブランコはかなり高い所まで到達するようになった。私は恐くなり叫んだ。
私「もういい、やめてくれ!!」
若い男「ダメだね、じいさん。このブランコのチェーンが切れるか、あんたがブランコから落ちるまで、俺はブランコを揺らし続けるよ。」
私「うわああ、誰か助けてくれ!!」
私が泣き叫んでいると、ドスンと音がした。私の家に来ているアンドロイドが、若い男に馬乗りになり、ボコボコに殴っていた。
私が乗っていたブランコもだんだんと勢いがなくなり、穏やかな揺れになった。そして私は、地面に足をつけてブランコの揺れを止めた。
若い男を見ると、首が無くなっていた。
私「うわあ、なにもそこまで殴らなくても。」
アンドロイドが、若い男の取れた首を私の足元に放り投げた。その若い男もアンドロイドだった。
アンドロイド「この首を役場に持って行って下さい。役場から貰えるお金は、あなたが好きに使っていいです。それから、私はミサと言います、よろしくお願いします。」
私「ありがとう、ミサ。こちらこそよろしく。」
ミサ「では、ブランコの続きを。」
ミサは、勢いよくブランコを揺らし始めた。
私「ミサ、もういい、ブランコはもういい!!」
ミサ「遠慮しなくていいです、さあ、もっと揺らしますよ。」
私「うわああ、やめてくれ!!」
私は目をつぶって、とにかくブランコの鎖を両手で握りしめた。
ミサ「満足しましたか?私はそろそろ家に帰って、掃除の続きをしようと思います。」
私「したした、充分満足した、ありがとう、ミサ。」
ミサ「では。私は先に家に帰ります。」
ミサは家に帰って行った。しばらくして、私のブランコの揺れもおさまり、ブランコを両足で地面につけて止めると、私は慌ててブランコから降りた。私は、もう二度とブランコに乗らないと誓った。




