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転生者は弟さんになったようです  作者: ぼのぼの日和
第1章 プロローグ
8/25

第7話 幕間:深夜の密談

最初に言おう、シリアスなど書くつもりは無いのだよ。

「ローレンツよ、首尾は如何ほどに?」

「まずハロルドへの褒賞です。関係する貴族たちとも調整しておりますが、辺境伯を任じて頂くことと、北はアゾフ海に面した領土の下賜を提案いたします。勇者様への魔法の教育もありますからハロルド様は勇者様への教育が終わってからで、先に領主代行にイリスを任命頂きましょう」

「ふむ、あそこは魔素溜りが多く、魔物が湧き出て開発に難儀しておったな。しかもエルフガーデン・ドワーフ君主国とも国境が近く、両国に配慮して大軍を送れなかったか。どの貴族も拝領と開発を嫌がっておったの。しかもあそこから王都へ行軍すると両国が黙っていない。反乱の心配もなさそうじゃな」

エルリンドはにやりと笑う。

「次に魔王討伐についてです。勇者様は魔王討伐の為に半年近く訓練が必要かと思います。訓練ののち、大森林を経由しエルフガーデンへ入り、エルフの族長とご面談。その後、北方貴族の領土を通り、ドワーフ君主国にて君主様とご面談。そして2国と合同で北から魔王討伐に向かって頂きます。我々は勇者様と連動してバイエル侯爵様の領都オデッサを経由して南より魔族の領域に攻め込みます」

「アルトマン辺境伯領ではなく北方貴族の領土か。魔素溜りの多い彼の地を通った方がいい経験になるのではないか?」

ローレンツは力なく首を振りエルリンドの意見を否定する。

「勇者が魔物を倒し過ぎて『他領とのパワーバランス』が崩れてはいけませんからね」

ローレンツの言葉に非常にうれしそうな顔をするエルリンド。その心は「越後屋、おぬしも悪よのう」という感じか。

「最後に件の召喚者は、一時オデッサで保護される案が良いでしょう。すぐに出立しては彼の勇者様の一人がひどく悲しまれるかと思います。そこで魔王討伐に出立する2か月前に出立し、通信魔道具で無事オデッサに着いたのを確認頂く形がよいでしょうな。…途中、カルパティア山脈にて落石事故が巻き込まれるという予言が出ております。それが実現しては捜索するのも困難。残念である予言故外れることを祈るしかありませんな」

「しかし、事故が起きれば勇者の一人が黙っていないのでは?」

「少し『小耳に挟んだ』のですが、かの勇者1人だけ戦闘向きではないようです。更に件の召喚者を保護する際、彼の勇者は着いていくとも言っているようです。そうなってしまえばともに事故で失ってしまうかもしれません…あぁ、かと言って『小耳に挟んだ』程度ですので、保護の時期を早めるのは勇者様方に疑念を与えるでしょうなぁ」

「そうか、よきに計らうがよいぞ」

「陛下の御心のままに」



銀髪の少女は階段を急いで、しかし静かに駆け下りていった。

「トシキ様に伝えなきゃ」

急いで駆け下りた割に、廊下に出た際に急に立ち止まる少女。何かあるのだろうか?

「クラウディア、来なさい」

そう少女が一声かけると亜麻色の髪の少女が物陰から現れた。

「姫様、階段を駆け下りてはいけないと何度申せばご理解いただけるのですか?」

「緊急事態なのです!…それよりも誰か私を監視している雰囲気はありましたか?」

「いえ、例え国王陛下の犬でも姫様に近づく輩は私が見逃しません故」

ほっと一息つく少女。しかし彼女はそこで立ち止まるつもりはないようだ

「トシキ様の閨に参ります。ローレンツや父上の目を潰して差し上げなさい」

「夜這いですか?…全く、誰がこんなアバズレに育てたのやら…」

「悪巧みがあることを報告しに行くだけです!しかもお姫様(仮)に向かって『アバズレ』とは何事ですか!ていうか私の情操教育を担当しているのもあなたでしょうが!」

「あ、(仮)の自覚はあるんですね?」

顔を真っ赤に(憤怒?いいえ羞恥です)して夜這いを否定する銀髪お姫様(笑)。それに対して揚げ足をしっかり取るクラウディア。だがそんなことお姫様(失笑)には関係ないようだ。

「全くわが父ながらあんなに素敵な勇者様をこき使うことしか考えていないとは…しかも勇者様のご友人を殺めるつもりとは何事ですか!あの馬鹿親では言っても聞かないでしょうからね…ここは負傷アマーリエ姫の出番です!」

「姫様、怪我を負ってどーするんですか」

「締まらない!!」


さて、この締まらないアマーリエ姫はどうしてこんなに俊樹に肩入れをするのか?少し時間を巻き戻してみてみよう。



「はぁ、退屈ですわね」

ご機嫌麗しゅう皆様。お久しぶりでございますね。…え?お前なんていつ出てきた?失礼いたしますわ。勇者謁見の際にしっかり父上の隣で座っておりましたわ。『あぁ、あの時の紹介されなかった残念少女』…言葉に棘がありますけど、許しましょう。私寛大ですの。仕方ないから自己紹介もしてあげますわ。

私、エルリンド=ディアナトリナ=スヴァローグが娘、第3王女アマーリエと申しますの。今年で15歳になりましたわ。そうそう外見も、流石にスリーサイズは無理ですけど、お教えしますわ。お尻まで伸ばしたサラサラストレートの銀髪、白い素肌、アメジストの様な紫の済んだ瞳、ちょっと気が強そうな(勇者ユキ様ほどではないけれど)吊り目に、背は高くもなく低くもなく勇者トシキ様より10cmほど低いくらいかしら。あとは…年の割に発育した方だと自負していますの!

「姫様、修練の最中に『退屈』など言わないでください」

あーあ、人がせっかく興に乗っているのに。

この空気を読まない少女はクラウディアと言います。えーと、この娘は私の護衛です、はい紹介おしまい!

「姫様、私の扱いが雑すぎます」

えー、モブキャラが出しゃばんないでよー。まぁ仕方ないか。

このくそ生意気な護衛は私の教養と剣技の教育を担当してて、本人の能力としては斥候・護衛に暗殺・諜報・軍隊指揮となんでもござれな女の子なのです。私の2つ年上で、見た目は髪は亜麻色で風が優しく包みそうな長さ、瞳は垂れ目の緑眼。ぼーっとした表情なんだけどいざピンチになると表情が引き締まってちょっとカッコいい。身長は私とどっこいどっこいで、ウエストは…ふん!体育会系な分彼女の方が細いわよ!そして胸は、え?負けた…

「これが持つ者と持たざる者の差です」

きーっ。まだ私は成長期なんですぅー!成長がそろそろ見込めなくなるあなたとは違うんですぅー!

…はぁ、とりあえずお城に帰ったらミルクをがぶ飲みしよう。

「姫様。魔物退治の訓練なのですからもう少し気を張ってください」

あぁ、私としたことが。今私は魔物退治の訓練をしていたのですわ。何故王女がそんなことしているかって?それはですね…

「それにしても何でこの国の王女様が勇者様と一緒に『魔王討伐』へ行かなきゃいけないんですかねぇ?」

「私のセリフ!!」

くそぅ、この性悪護衛め!

「姫様、冗談ばかり言っていないで気を張ってください。先ほどから嫌な予感がします」

「どうせ、そこまで強い魔物がいるわけ...きゃ!」

「姫様?あぁ!こいつ、いつの間に!!」

「この魔物、何ですの!!そんな、私としたことが!!きゃあ!クラウディア!」

「姫様!こちらもダメです!囲まれています!!」

「そんな…いや!!こっちに来ないで!!」

 そんな言葉はお構い無しに私とクラウディアに群れてくる魔物たち。

 ちょっと油断しただけだったのに。私はこんなところで花を散らしてしまうのね…

「白馬の王子様がいつか私を迎えに来てくれると思ってたのに…駄目なのね。もう」

 私は覚悟した。ここで父上が他に護衛を付けていればとの呪詛を吐く。ううん、きっと父上はそんな無駄なことはしない。

 この魔王討伐だって勇者と歳が近いから選ばれただけで3女である必要はない。つまり死んでしまっても弱かったから仕方ない、だけで終わってしまうのだ。

「私が死んでも代わりはいますもの」

 そう諦めて、目を瞑る。その時だ。爽やかな、しかしとても力強い声がその場に響いたのは。

「ご令嬢様!不肖トシキ=カザミがお助けに参りました!!」



--------------------------------------------------------------------

「ねぇ恵美、俊樹。私たちだけでも自分の能力を明かしておいた方がいいんじゃないかなぁ?」

恭介が優希はそう切り出した。

「うん、これから一緒に旅するメンバーだものね。理解していないとピンチになった時にカバーできないしね」

「はいはーい、まずは俺の能力から教えるぞ」

「こういうのは『エルツァーレンカルテ』を見せ合えば済む話でしょ?」

そういって優希はエルツァーレンカルテを差し出す。



名前:   ユキ=カガミ(火神 優希)

種族:   異世界人(ヒューマン)

性別:   女

年齢:   17歳

称号:   勇者、交渉人

アビリティ:人心掌握(カリスマ)幸運(グルック)交渉術(フェアハンデン)友達の輪(フロインドリヒ)

体力:  100

膂力:   40

魔力:   20

精神力:  30



「確かに読みあげるより楽ね」

「ちぇー、ノリ悪ぃー」



名前:   エミ=ミズキ(水樹 恵美)

種族:   異世界人(ヒューマン)

性別:   女

年齢:   17歳

称号:   勇者、聖女

アビリティ:女神の祝福ズィゲンディゴッティン無詠唱(クラインゲザン)全属性強化(アレ・フェベゼルト)魔素吸引(メイジアプソプション)

体力:   200

膂力:   100

魔力:   400

精神耐久力:300



名前:   トシキ=カザミ(風見 俊樹)

種族:   異世界人(ヒューマン)

性別:   男

年齢:   17歳

称号:   勇者、甲斐性(ハーレム)

アビリティ:絶対領域(アプソリューテ)英雄の加護(ヒロイッシュグレイス)意志の力(ヴィルズ)騎士の本分(フリヒトデスリッター)

体力:   400

膂力:   400

魔力:    50

精神耐久力:150


「ねぇ、優希。私もこんなこと言っちゃいけないってわかっているんだけど…」

「滅茶苦茶弱くね?」

「俊樹、うっさいわね!私だって気にしてたのよ!!」

「まぁ、でも勇者なんだし、この国の人よりかは強いかも…」

恵美は願望を込めて優希をなだめる。が、残念ながら優希も一般人程度の実力しかない。

「まぁでもさぁ、もし仮に私がそんなに強くなくって足手まといになりそうだったら、恭介と一緒にいたいなぁなんて思うんだけど…」

「いいよ」

「やっぱり、二人を裏切るなんて駄目…って!いいの?!!」

「だって私はみんなで日本に帰りたいだけだし、優希が本当に戦えないなら恭介君と同じで無理やり魔王討伐なんてするべきじゃないと思うの」

「俺もそう思う。弟卒業はまぁ日本に帰ってからでもいいしな」

「恵美、大好き!!」

「俺の立場は?!!」

「「まぁ、俊樹だし仕方ない」」

俊樹の魂の叫びにハモって落とす二人。

「で、冗談は置いておいて。優希、わざと恭介君がいない時に話したわね?」

「ぎくっ!」

「はぁ。大方『弟に依存しすぎだ』って本人の前で指摘されるわ、本人は『お姉ちゃん、待ってる』なんて大見え切るわで、いきなり『お姉ちゃんは戦えないから恭介に付いてくね、テヘ☆』なんて言い出せないからでしょうけど。っていうよりなんでそんな低い戦闘能力で恭介君と魔王討伐の旅に出る前提の話し方をしたのよ!」

「ついノリで☆」

「はぁ」

私付き合う友達間違えたかしらという考えが恵美の頭をよぎる。が、恵美はいつも通り切り捨てられない。今までの恵美の苦労が偲ばれる。

もちろん優希はそんな恵美の事情はお構いない訳で…

「恵美~、俊樹~恭介には黙ってて~、一生に一度のお願い~!」

「「はぁ…」」

 優希のあまりの残念さに肩を落とす2人。ちなみに優希からは一生に一度のお願いを今まで両手で数えきれないほどお願いされてきている。そこでタイミングよく恭介が帰ってきた。

「あれ俊樹さん、恵美さん。どうしたの?」

「「ええっと…」」

「恵美は俊樹が『異世界王女探しに行くんだ!』って言い出して呆れちゃって。で、俊樹は私に「異世界の王子様探したらどうだ」なんて言い出したんだけど『恭介の相手で忙しい!」って言い返したらこの有様でさ」

 自然に嘘八百を並べる優希。

 (お前、後で覚えておけよ)

 ((言われなくても、探しに行くつもりだったんでしょ?))

 そう恵美と優希にツッコまれる俊樹。実際それは事実だったので何も言い返せない俊樹であった。

--------------------------------------------------------------------



 そして俊樹は、そのまま異世界の王女を探す旅に出た。

「はぁ、異世界王女様は何処に…」

 アマーリエたちが魔物退治をしている頃、俊樹は絶賛人生の迷子中であった。

「むむむっ、あっちの方角に異世界王女様の気配がするぞ!俺のサイドエフェクトがそう言っている!!」

 俊樹よ、君にそんなアビリティを付けた覚えはない。よってそれは単なる野生の勘だ。

 そんなツッコミを誰もしてくれるはずもなく(そばに恵美が居ればしっかりツッコんでくれるが。優希は基本放置プレイである)、エルフリッグ城から城下町へ降り、さらに郊外まで出た(・・・・・・)俊樹。

 普通は異世界から来た勇者を外に出すはずもないのだが、腹黒宰相は「さすがにこの能力ならたかが王都近くの『スライム』など取るに足らないだろう。しかもこちらが煩わずに訓練にもなる訳だし重畳だ」ぐらいに考えて、特に勇者達をエルフリッグ城に押し込めるつもりもないようだ。

 さて、そんなこんなでエルフリッグ郊外までやってきた俊樹だが、宰相の予想通り難なくスライムを刈っていた。

「てかスライムって実物はこんなにきしょいのな」

 そこには、あの青色のぷるんとしたボディを一切感じさせない乳白色の不定形の物体たちが蠢いていた。不定形でどこからどこまでが1個体のサイズなのかはいまいち不明だが目の様な機関は1体につき一対あるらしい。

 そんなスライムをものの5分で倒す俊樹は十分にこの世界でやっていけるレベルにあるのだ。


「いや!!こっちに来ないで!!」

 俊樹は耳聡くその叫び声を拾った。3km離れての叫び声を拾っているのである。

 だから君、付けてもいないアビリティ炸裂させるなよ。

「これはピンチに駆けつける白馬の王子様パターン!急いで駆け付けねば!!」

 俊樹よ、君は今白馬に乗っているわけではないぞ。もちろんツッコむ人は誰もおらず、ひたすら叫び声がした方向へ駆け出す俊樹。

 そして現場にたどり着いた時、壮絶なものを目の当たりにするようになる。

「何…だと…?」



「きゃ、そこに入っちゃダメ、私を汚さないでぇぇ!」

「幾ら私の『そこ』が姫様より魅力的だからと言って、貴方にくっつかれたら人様にお見せできない姿になってしまうではないですか!」

「これ、もう少し様子みたいな」

 そこには美少女二人に12匹ものスライムが取りついているという、絵にしたら18禁指定まっしぐらな光景が広がっていた。いや、だって『乳白色』で『不定形』なものがまとわりついていたら…ねぇ?

 ただ、この見た目に反してスライムたちは体にまとわりつきながら対象の持つ魔素を吸うという非常に厄介な魔物なのだ。

 放っておいたら魔素過小による気絶、そこからさらに魔素を吸い尽くされて命の灯も消えてしまう危険性もある。

「流石に美少女二人のピンチを眼福だからって傍観するのはまずいな。てか12体で24の目か…こんな24の瞳は嫌だなぁ」

 そうつぶやき、俊樹はさも丁度いま颯爽と現れたフリをし、名乗りを上げた。

 到着してから名乗りを上げるまで、およそ10分。もうほとんど詐欺のレベルである。

「ご令嬢様!負傷トシキ=カザミがお助けに参りました!!」

「姫様にも同じツッコミしたんですけど、怪我を負ってどーするんですか」

「時系列!!」

 あぁ、なぜこの姫様と勇者様はこんなに残念なのか。そこのところ小一時間問い詰めたくなるクラウディア。

「…と、そんなことはどうでもいいことだった。お二人とも少し怖い思いしますが(・・・・・・・・・・)私を信じてくださいね」

 そう一言いい、アマーリエを(・・・・・・)切り捨てる(・・・・・)俊樹

「姫様!!」



「それにしても便利な能力ですねー」

 アマーリエが切り捨てられてから数分後、のんびりとした口調でそういうクラウディア。

「…確かにピンチから救っていただきましたが…納得いきませんわ!」

「いやー納得するしないにかかわらず、俺の能力の『意志の力(ヴィルズ)』は俺が攻撃したい対象だけに攻撃を与える能力だからなぁ」

 そう、謁見の間で「異世界チートだ!」と叫ぶだけあって、その能力の詳細も同時に俊樹の頭に入ってきたのだ。

「そうではなく…なぜ私から切り捨てたのですか!これでも、私王女なのに…こういうのはクラウディアで安全なのを理解させた上でしてくくれれば、その、はしたない姿をお見せせずに済んだのに…」

 そう顔を真っ赤にするアマーリエ。切り捨てられる恐怖のあまり、俊樹の目の前でお花を摘んでしまったようだ。

「申し訳ございません。ただ、貴方の方がより(絵面的に)危険が迫っていると思いました」

「こんなお美しい方に危険が迫っているのです。私は私の(美少女の羞恥に染まった顔を見れるのではという)直感の命ずるまま貴女を先にお助けすることにしたのです」

 明らかにゲスい気持ちを裏に隠す俊樹。そんな俊樹の裏の意図に気づかないアマーリエは、

(あぁ!!これぞ正しく私が求めていた白馬の王子様!!普段碌なことをしない父上ですけど、トシキ様を召喚されたのはGJと言わさせて頂きますわ!!)

 決然とした表情でアマーリエは俊樹を直視する。

「トシキ様!!」

「はい?!(やっべ、バレたかな)」

「このアマーリエ、トシキ様に頼まれましたらできる限り手を尽くしますわよ…!ただ、まだ齢も15ですから、優しくして頂ければ、ありがたいのですけど」

 こうして、俊樹は称号「甲斐性(ハーレム)」に恥じない一歩を踏み出した。…が、城に帰った後この顛末(もちろん邪な内心は省略した)を聞いた恵美に、「このキザ男!(私の幼馴染という有利な立場が!!)」と盛大にひっぱたかれる。


 ちなみに…

「何ですか、あの男は!!姫様に気取られず、意図的にあんなに恥ずかしいことをさせるとは……はぁはぁ。私もあんなことされてみたいですぅ!」

 クラウディアさんは変態だった。

本編よりも幕間の方が書いてて面白い不思議。

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