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Run away!3

殺害と一回目。

作者: 貴幸

だからモス派だって言ってるでしょ。




「…あ。」



「あ。」



前にも同じことがあった気がする。

と思いながら前にいる黒髪の男を見る。

確か、ハルトの弟だ。



かんっぜんにハルトを小さくした版だ。



「えっと…たしか、この前ヒロキの家にいた…」



「バカな人。」



バカな人、で覚えられていた。



「バカなのは数学だけだから!あと名前はユウトだから!」



ハルトと同じ謎の威圧感がある。

苦手だ…。



「なあ話すならマック行こうぜ。」



「あー、うん、マックかぁ……ってデジャヴか!!!」



まあ、暇だし良いとしよう。








「おじさん、兄貴と同じ高校?」



「…お前の兄さんより若いんですけど、同じ高校だよ見りゃわかるだろ。」



まあ、俺はブレザーであいつはセーターをきてくるところは違うけど。



「あのさ、もしかしてマック嫌だった?」



デジャヴ。



「いや、別にいいよ…。」



「もしかして…ロッテリア派だった…?」



「だからモス派だっつうの。」



こんなマックにいる中何処派か話すのもおかしいけど。

家でハルトがどんな人間なのか聞いてみたかったりする。



「あのさ」



「ダブルチーズバーガー二つとドリンクお持ちしましたー。」



にこやかなお姉さんが俺の言おうとするところを邪魔する。

わざとだ、絶対わざとだ。



「兄貴ってさあ、学校ではどうなの。」



聞きたい事を先に言われる。



「どう…って別に、よくっていうか毎日サボってるし屋上は勝手に入るし…頭は良いし…。」



「お前ふざけてんのかよ。」



「えっ、すみま…って何が!?」



つい誤ってしまった。

アキトはハンバーガーを一口食べて話しはじめる。



「だって…俺と同じすぎるだろ…。」



「ぶっ!」



思わずふきだしてしまう。

こいつ…自覚してる…!!!



「わ、笑うなよ!俺は真剣なんだからな!」



「いいじゃん似てたって。」



「よくねーの!」



今はそうゆう時期なんだろうか。

いつかどうでも良くなるから大丈夫だと言いたい。



「似てたってアキトはアキトだろ。」



「呼び捨てすんなよ、敬語つかえ、敬語。」



「俺お前より年上なんですけど。」



ドリンクを飲む。

コーラを頼んだのにウーロン茶の味がする、間違いなくこれはウーロン茶だ。



「アキトお前何頼んだ?」



「オレンジジュースだけど」



「えらく子どもだな!!!ちょっとこれお茶だから取り替えてくる。」



「あ、うん。」









かえってきてようやくハンバーガーを一口食べる。



「あれ、ピクルスの味がしないんだけど。」



「俺は知らない。」



汗がでている。



「お前…ピクルスをとったな…」



「と、とってないし!!」



わかりやすい嘘だ。

ピクルス抜いてもらうの忘れてたからいいけど。



「ピ、ピクルスは俺のだからな!」



「取らねーよ!」



コーラを一口飲む。

あれ、これペプシゼロじゃね。

まあよしとしよう。



「ハルトってさ、家ではどんな感じなの。」



「ハルト?うーん…」



少し考え込む。

そんなに言いづらいんだろうか。



「あんまり…関わらないからわからない。」



「お前ら寂しい兄弟だな…」



「仇だからしょうがないだろ…」



「仇?」



仇って…どうゆう意味なんだろう。



「俺、兄貴の事殺したいから。」



「…中二?」



「中三だ。」



ハルトは弟にまで嫌われているんだろうか。

確かに、あいつならありえない事はなかったりする。



「何があったんだよ。」



「教える気はない。」



「俺さ、一度ハルトに殺されてる人間だから。」



目を大きく開いてこっちを見た。

まるで、誰かと重ねているみたいに。

手を震わせて飲み物を机に置いた。



「殺された…の?」



「ゲーム参加者だったから。」



「…そう、なんだ。」



俺は飲み物を飲み干す。

やはりSサイズじゃ物足りなかったかもしれない。



「はい、俺は秘密言った。お前も言えよ。」



「…わかったよ。」



偉く素直だ。



「ハルトは、俺の親を殺したから。」



「え?」



親を殺した?



「本当にそうなのか?」



「知らない。」



わけがわからない。

俺は手に汗を握る。

ハルトは殺しを経験しているように俺を簡単に殺した。

ハルトならありえる、ありえることなんだ。



「俺、小さい時だったから…。」



「そ、そう…。」



でも、ハルトには何か理由があったんじゃないだろうか。


なんとなく、そう思った。

…俺はハルトの事を知り始めてる。



「だから嫌いなの?」



「嫌いじゃないよ、嫌いだけど。」



そう言ってハンバーガーを食べ切った。

窓の外を見るとハルトがいた。

目が合う。

呼ぶべきだろうか。と思ったが通りすがっただけなのか行ってしまった。



「兄ちゃん、いっちゃったな…。」



「気づいてたの?」



「今気づいた。」



その目はあまり復讐に満ちてはいないような気はした。





「よし、食べ終わったし、帰る。」



席をたとうとして、待ってと言われた。



「ユウト、殺された時、どんな感じだった?」



ああ、本当に兄弟は似るな。












「怖さを忘れるくらいに痛かったよ。」









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