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1_Lost Virgin-2
次の日、学校は何事も無かったようにいつも通りだった。
違った事と言えば、リーダーの居ないいじめグループは、僕に手を出してこなかった。
その日の夜。
あいつを殺した場所へ行くと、誰にも気づかれていないらしく、死体はそのままそこにあった。
「―――ぁ」
感覚がよみがえる。
突き飛ばした感触。
頭を打ち付けた音。
微かにもれた呻き声。
地面を染める紅色。
「―――っふ、ふふ―――」
笑い声が聞こえた。口に手を当てた。酷く歪んでいるのが分かった。
聞こえた笑い声は、自分のモノだった。
暗い快感がまた、背中を駆け抜けた、
「そっか、こんなに……こんなに簡単な事だったんだ」
頭を打っただけで。
突き飛ばしただけで。
死ぬ。簡単に。
死ぬ。
死ねば、終わる。
僕は、解放される。
「最初から、殺してしまえば良かったんだ……」
歯車のような何かが、キリキリと回り始めた気がした。