1_Lost Virgin-1
僕という人間がどういう存在であったかを一言で表すのなら、まず間違いなく「普通」という言葉がでてくるだろう。
性格も、
体格も、
成績も、
家庭も、
至って、普通。
何の特徴も無い人間はかえって目立つらしく、知らない内に目をつけられていた。
周りから見れば僕は、典型的ないじめられっ子だっただろう。
毎日、毎日、毎日。
それが日課のように。
罵られ、
殴られ、
蹴られ、
踏まれ、捨てられる。まるでゴミとしか思われていないかのように。
日が変わればまた同じことの繰り返し。
痛覚がなくなってしまったかのように、痛みは随分と前から感じなくなっていた。
ある日、休日にいじめグループのリーダー格に偶然街で出会ってしまった。当然のように路地裏に連れて行かれ、殴られた。
何発か殴られて、その内一発が綺麗にアゴに入り、受け身も取れずに倒れて、まともに頭を打った。
途端、
「っ―――あ」
忘れていたことを思い出したように。
「―――ぅぁ」
血が、
「――――――!」
血、
「っあああああああああああああああ!!!」
相手を思い切り押し倒した。自分がそうだったように、受け身も取れずにまともに頭を打った。
「ぐぅ―――っ」と呻き声が聞こえた気がした。
偶然だったのか無意識のうちに狙ったのか、相手の頭の下には、握り拳ほどの大きさの石が転がっていた。
血が出ている。
「――――――」
自分のものではない、紅い、血。
「あ、あぁ――――――」
恐怖と暗い快感が、自分を襲う。
「うぁあああああああ!!!」
今日、僕は、人を殺した。