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雨の日模様
ザー、ザー。
今日は雨か。
結構降っているな。
ま、傘をさしていけば大丈夫だろう。
と、思い直して、雨ガッパも着ていくことにする。
「おはよう、ユミナ」
「ああ、おはよう」
登校途中にミツキと出会う。
「カッパはいらなくない?」
「そうかな」
田舎道を歩いていく。
田んぼの中に、なぜか傘が開いてさしてあった。
「あれは何だ?」
「カエルが雨に濡れないようにって、ヒマリンが」
小湊ヒマリの仕業か。
天使の生まれ変わりの彼女は極端に変わっている。
「おはよう、お二人さん」
後ろから、傘もささずに七瀬ホノカがやってきた。
「おはよう」
「おはよう」
守護霊の鉄壁の守りを誇る彼女は、雨具などなくても、決して雨に濡れることはない。
「お先に」
涼しい顔で我々を追い越していった。
「ホノカは雨なんて、みんな弾いちゃうんだねえ」
「そうだな」
「で、どうなるんだろう?」
「こうなる」
弾かれた雨粒を、我々が全て被ることになる。
「やっぱり、カッパがいるねえ」




