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揺れる
「眠くなーれ、眠くな……」
ピチッ!
うわっ。
上から巨大ヒマリンに指で弾かれた。
それだけで、真っ逆さまに落ちていく。
ズボッと、谷のようなところにハマった。
「ここは、アレか?アレの谷間か?」
妙に生暖かくて、いい心地だ。
「なるほど、愚男どもが憧れるのもわかる……、どわっ」
うわっ。
揺れる、揺れる。
縦揺れだ。
「こら、ゆっさゆっさと揺らすでない。わわっ」
今度は横揺れ。
右の山から左の山へと、バインバインぶつかるぶつかる。
「こりゃ、たまらん」
大慌てで谷間から脱出する。
「おや、固い大地の上に出たぞ?」
ここは相当な高度があるはずだが、こんなところに大地が?
と思ったら、エレベーターのようにグングン上昇していく。
「あ、これは、ヒマリの手のひらか」
巨大ヒマリンの目の前まで上がってきた。
すーっと息を吸い込む巨大ヒマリン。
フーッと思い切り吐き出した息で飛ばされた。
「あわわっ」
クルクルーっと、回転しながら飛ばされていく私。




