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葛藤
などと我々がくだらないことをやっているのを、キャベイム魔神は興味津々で見つめていた。
「なんや、僕。飴ちゃん欲しいんか?」
キャベイム魔神に対して僕って……。
キャベイム魔神は、ウララの方にそーっと手を差し伸ばした。
まさか本当に飴ちゃんが欲しいのか?
だが、ユメカより叱咤激励が飛んだ。
「何をしているの、キャベイム魔神!あなたは泣く子も黙る、異世界最強の超魔神なのよ!そんな子供騙しに心惹かれている場合ではないわ。さあ、魔神よ、こやつらを千切りにしちゃいなさい!第三楽章、キャベイム行進曲!」
なぜこのタイミングで行進曲なのかは謎だが、アップテンポな曲に変わった。
キャベイム魔神はブンブンと頭を振り、飴ちゃんの誘惑を振り切ろうとする。
だが悪魔は囁く。
「我慢せんでもええで。飴ちゃん欲しいんやろ?」
飴ちゃんに手を伸ばすキャベイム魔神。
「よしなさい!」
頭を抱える魔神。
「欲しいんやろ」
手を伸ばす魔神。
さぞ辛かろう。




