表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
177/204

手跡


我が校にはこんな伝説がある。

今の校舎を建てたとき、一筋縄ではいかなかったという。

何度も摩訶不思議な怪異に見舞われ、工事は難航を極めた。


そこで地元の神社にお伺いを立てたところ、こんな神託が出た。

これは地の神が怒っておるのだ。

若い娘を人柱として校庭に埋めよ。さすれば怪異は治まるであろう。


時の校長は、泣く泣く自分の一人娘を人柱に立てた。

本来であれば、次の年の春に入学予定であった、かわいいかわいい一人娘を。


その結果、無事に今の校舎を建てることができた。

だが、陰鬱な雨が降るような日には、成仏できない娘の霊が校庭の下から這い出してくる。


羨ましそうに窓の外から教室を覗き込み、そのとき、窓にびっしりと泥の付いた手跡が残るという。


とある雨の日。

急にミツキが叫んだ。

「きゃー!窓に泥の付いた手跡がびっしり!」


だが、私は落ち着いていた。

「しーちゃん、校庭で泥遊びしてただろう」


手跡は、パンダの手のひらの形であった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ