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校則
アケフの力も借りて、我々は等身大ユミナフィギュアを仏の島まで運ぶことにした。
ついでに、メデューサも持っていくことに。
「作品としては素晴らしい出来栄えだわ。モデルの本質を見事に表現できている」
「先生、ありがとうございます」
と、こじんまりこちゃんはアンナを褒めた。
私はただひたすら複雑であった。
元々複雑に出来ているこの私をさらに複雑にしてどうしようというのか。
フェリーで仏の島に到着。
とある寺院で、像を安置することに。
僧侶が出て来て、言った。
「確かに、これが世の中にあると災いを呼んでしまうかもしれません。しかしここで二万四千年ほど置いておけば瘴気も消えるでしょう」
私のフィギュアはプルトニウムか。
しかし何はともあれ、騒動は一件落着だ。
カレンも正気に戻って、めでたしめでたしであったが。
その後、学園に新たな校則ができた。
一条ユミナをモデルにした作品を作ることを禁ず。
実に不愉快である。
この学園、滅ぼすか?




