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吸血鬼に???
「フー、フー!」
カレンが異常に興奮している。
「どないしたん?刺激が強すぎたんやろか?」
「それにしては、元気になってる感じがするねえ」
「フー、フー!」
カレンはピョンと私の等身大フィギュアに飛びついた。
「アカンよ、カレン。ユミナフィギュアは普通のものでも蚊を落とせる威力があるんや。等身大となると流石の吸血鬼でも塵になってしまうで!」
んなわけあるか。
太陽の光より強いやんけ。
それにカレンは前世が吸血鬼というだけで、今はれっきとした普通の人間だ。
だいたい、普段生身の私と接して平気なのになんでフィギュアでこうなる?
だがカレンは理性を失ったように見えた。
「フー、フー!」
「ニンニクや十字架の他に吸血鬼が苦手なもの、何かあったかなあ」
「いや、これはどちらかと言うとアレだ」
苦手と言うより好まれている感じだ。
「そうだ、猫にマタタビを与えたときの反応にそっくりだ」
だからカレンよ、私のフィギュアを舐めないでおくれ。




