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ユミナフィギュア
ミツキフィギュアは、まあ置いといて。
アンナの作ったフィギュアは実に良く出来ていた。
ウララは抜け目のなさが滲み出ているし、ヒマリは天使のようにほんわかしている。
カレンの吸血鬼っぽさも表現出来ているし、ノエルは今にも何か発明しそうだ。
それぞれのキャラクターの特徴を良く掴んでいると言えた。
だが。
一つだけ解せぬものがある。
「この禍々しさがユミナそっくり」
「ありがとうミツキ。自分で言うのも何だけど、ユミナのが一番リアルに出来たと思うんだ」
その意見は否定させてもらう。
「アンナ、悪いがこれは私には似ていないな」
「そんなことないよ、そっくりだよ〜」
「黙れ、ミツキ」
「呪いのパワーが強すぎて、逆に魔除けになるんちゃう?カレン、どや?」
「ちょっと苦手かもしれないのだ。克服するのだ」
「せんでも良い」
そのとき、蚊が一匹プーンと飛んできた。
ポトッ。
「あ、落ちた」
「吸血鬼は無理でも、蚊ぐらいは落とせるんやな」
不愉快だ。




