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西郷ライラの場合
西郷ライラは合唱部の生徒である。
彼女に関しては文化祭のところでチラッと登場したが、これまでほとんど語られてこなかった。
今回は一つ、彼女について詳しく見てみよう。
ライラは子供の頃から歌うことが好きだった、だから合唱部に入った、ということでは全然ない。
なんとなく誘われるままに合唱部に入部し、なんとなく今まで続けている、というだけだ。
部のメンバーはみんな仲がいい。
放課後に彼女たちとお喋りをし、適当に合唱の練習もする。
こういった日々の繰り返しに、ライラは居心地の良さを感じている。
そろそろ将来のことを考えねばならない時期に来ているが、特段の計画はない。
地元でなんとなく就職し、なんとなく結婚し、なんとなく人生を終えていく。
そんな薄ぼんやりとした人生設計を描いている。
そんな彼女の将来は、おそらく地獄のフラダンサーズに勧誘され、なんとなく踊っていることと思われる。
こういう人に地元は支えられていくのだろう。




