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フェイクニュース
放課後、アケフは女子野球部のコーチをする。
準備運動は四股と鉄砲。
鉄砲柱のあるグラウンドなど、世界広しといえどもここだけであろう。
村雨カレンがバッティング練習をしていた。
「お主、野球部だったのか」
「苦手を克服するためなのだ」
「それがお主の生きる目的か」
「外角低めからボールになるスライダーが打てないのだ」
「打つな、どうせボールだ」
「ユミナ、大発見だよ!」
ミツキが来た。
「今、新聞部に行ってきたら、昔の新聞記事を見つけたんだ」
「アケフの現役時代の写真か」
「本当に元プロだったんだ」
縦縞のユニフォーム。
優勝したときの写真か。
「それよりこの肩の上に乗ってる人」
「こじんまりこちゃんだな」
他にこんな二頭身の人間がいるはずもない。
バッチリ新聞に載っている。
「この頃からの付き合いなんだね」
「それにしては写真が古過ぎるが」
勝ち投手村山?
発行元は、聖ガイア新聞?
「新聞部の顧問は誰だっけか」
「こじんまりこちゃんだよ」




