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ブロッコリーの木2
安斎ノエルは、まだブロッコリーを諦めていなかった。
「みんなで校庭に来るように言われたが、何だろうな」
「お腹を空かせてくるように、ってことだから、何かご馳走してくれるのかもしれないねえ」
ミツキらと行ってみる。
校庭の木の下でノエルは待っていた。
「連れてきたぞ?」
「新発明よ。この木をご覧になって」
ノエルは誇らしげに言った。
「うわっ、木だと思ったらブロッコリーだ!」
ミツキは木を見上げてぶったまげてしまった。
なんと、ブロッコリーが本物の木のサイズになっていた。
「良く作ったな」
「さあ、みんなで食べましょう」
ノエルはブロッコリーの木を斧で切り倒した。
大釜でグツグツ茹でる。
「いただきまーす」
ミツキは口いっぱいにブロッコリーを頬張った。
「もぐもぐ。ムッ」
だが急に変な顔になる。
「どうした」
「これ、木みたいな味がする」
どうやらまた失敗に終わったようだ。
「ところでミツキよ。お主はどうして木の味を知っておるのだ?」




