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アケフ
こじんまりこちゃんは、移動にアケフを使う。
「ホームルーム終わり!それじゃ、みんな、1時間目の授業頑張ってね」
すると教室の外ではアケフが待っている。
アケフとは、伝説の横綱と伝説の四番サードの能力とを併せ持った存在。
そういうことだけが、わかっている。
身長2m超、体重200kg超の巨体を機敏に操り、サードの守備では華麗な動きを見せるホームランバッター。
女子野球部の顧問である。
アケフはこじんまりこちゃんを肩に乗せて、のっしのっしと去っていくのだ。
「ねえねえ、ユミナ。こじんまりこちゃんとアケフって出来ているのかな」
またミツキがどうでもいいことを聞いてくるな。
「それより、アケフが何者であるかが先であろう」
「ウチ、アケフがローラースケートに乗ってるのを見たことあるで」
「あら、私は彼がアルプス一万尺をやっているのを見ましたわよ」
「ホットコーヒー飲みながら、アイスコーヒー飲んでいたのだ」
「余計な情報ヤメレ」




