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昭和2
「ユミナ見てよ、一大事だよ!」
「何だ」
ミツキがはしゃいでいる。
「カレーライスがライスカレーになってる!」
「それを昭和というのだ」
「オムライスがふわっふわじゃないよ!」
「それも昭和というのだ」
「パスタの種類が、ミートソースとミートボールとナポリタンしかないよ!」
「だから昭和というのだ。それから昭和ではパスタなどとは言わん。スパゲッティと言いたまえ」
各自、昭和に驚いているようだ。
「このコーヒー、角砂糖を三つぐらい入れんと飲まれへんな」
これは中森ウララ。
「昭和のコーヒーとはそういうものだ」
「あら、ラーメン一杯100円ですのよ?」
こっちは小湊ヒマリだ。
「良き時代であるの」
「プリンが固いのだ。スプーンが折れるのだ」
これは村雨カレンだが。
「サンプルだ、それは」
「ところで、ねえユミナ。お金大丈夫かな?」
「これで払っておけ」
と、お金をミツキに渡した。
「い、一円札!?」
「帰りはタクシーだな」
「昭和やなあ…」




