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モヤシとダイコン  作者: ざくろ
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序章・決別の雨

 公園の街灯が照らす雨が土を跳ね返らせている。

 2人の男に容赦なく打ちつける雨は、体温と一緒に2人の絆すら冷やしていく。

「俺が…お前を舞台に立たせるためにどれだけやってきたか、わかるだろ!」

「ダメだよ…。僕はもう、芝居はできない。できないんだ…」

 膝が汚れることにも心配る余裕の無い男に、もう1人の男は冷ややかな目を向けた。

「もういい。お前はそうやって薄汚れているのが似合ってるよ」

 泥水を蹴り上げて振り向くと、うずくまった男を背に歩いていくのだった。

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