貴族の館ロマンと説教
さてと、ゴブリンを倒したついでに貴族のお嬢様を助けてきました孝一です。
もうね、テンプレ中のテンプレですわ。命の助けた後はご褒美タイムってね。
しっかし、この令嬢ちゃんまだ名前さえ名乗っていない。親はよくできてるはずなのに。
まあ、親がよくできていたって子供がどうなるかは知らんよな。俺だって勝手に死んでるしw。
でもね、貴族の娘っていうのは俺みたいなパンピーじゃなくて、もっと規律ある人間鳥かごみたいなかんじで英才教育を施されるんじゃないの、特に異世界は。
それが見てくれよって誰に言ってるんだか。まだペドかもしれぬ齢にして強情。まして助けた俺が平民だったら少しは態度くらい取り繕うべきじゃないか。
も・う・す・こ・し、 き・ぞ・く・な・ら、 しゃ・ん・と・し・ろ、とか声を大にして言いたい。
おもらしなんて純潔より軽い軽い。どちらも排水溝にポイだ。元居た世界は純潔なんて知らない。だってハーレムとかできなかったからな!
あー苛立ってきた。ペド嬢早く歩けないのか。俺がおんぶしたほうが早いぞ。
そんなことしたら、体裁どーたら侵害で、さすがに俺の体と首がおさらばしちゃうからな。
それにしてもどこにも寄り付く感じがないな。そういうところは周りの子供よりちゃんとしているのか。
って俺に助けられるまでゴブリンに見つかる放蕩がそんなことないか。放蕩貴族だけに。頭にカビ茂ってるわ草。
少々失礼な考えにそれてしまったが、何かしらお礼があることはいいことだ。
どうやらついたらしい。大きな門だ。みんな小さいより大きいほうがいいよな男はロマンがある。
もちろん、建物とかそういう話だから。高層ビルで且つおしゃれだったらいうことないな働く社員!
基本は雑居ビル。でも大手よりは仕事が楽だ。身の丈があってていい会社だったと思う。
いかんいかん、過去の俺は便所に捨ててきたんだ。贓物は道路に派手にぶちまけたがな!
つまり言いたいことはこのお屋敷めっちゃ入りたい。遊び心ありありだわ。
俺のハーレム拠点において、その建築はここの外装内装をデザインした人に任せたい。
そんなことを思っていると、門の中庭というのか、そんなところから、いまさらのように門番のような人が来た。
お前。、もしかしなくてもさぼりだろ。大体の奴はトイレっていうことはこっちも身にしみてわかってるんだ。
まあ、何もしなくてもペド嬢が、「私よ、ホルム・アサシンプイレスよ、通しなさい。」と子供らしからぬよく通る声で、さすがの門番も気を取り直したようだ。
そして、「し、失礼しましたお嬢様。おかえりなさいませ。どうぞ中へお入りください。」とさっきまでの失態を隠すように九十度お辞儀をしているではないか。それでは反省しているかどうか顔の色が見えにくいぞ、もっと上げろ、ニヤニヤ。
どうやら、俺のことは見えてなかったらしく、追及らしい追及もされなかった。
ペド嬢的にもわざわざ俺のせいで自宅の前で待機もしくわ俺の素性とかなんたらをっていちいち話すのは面倒だと思ったんだろう。スムーズで俺的に気分悪くない。
どうやら、両親はこの屋敷にいるようだ。「こっちよ。」と玄関を超えて長い廊下の先に先が部屋らしい空間にたどり着いてしまった。いよいよ俺がお披露目されてしまうのだ鴨んぬ。
そんな心境を知らず、勝手に扉は開かれる。その部屋には、どうやら使用人二人に奥にシェフ、まだ若さのある下手したら高校生で通じるような見た目の男女二人がいる。
うわー、なんか想像とだいぶ違ったー。もう少しダンディーなのと大人の色気漂わせる貴婦人かと思いきや、なんかモノクル掛けた聡明な眼鏡イケメンと口紅濃くしたレディースの女みたいなやつがいるけれどもどういうつながりで夫婦?どんなひっかけ方したの?マジで!?
ペドの親も相当な外見偽装年齢に驚いているが、どうやらあちらも驚いているようだ。
そして、「ホルム!?どこに行ってたんだ?心配したんだぞ!」、「ああ、ホルムちゃん!見つかったのね!」と家族ともども抱き合っている。後ろの使用人もうわ、泣いちゃってるよもう何なのこの空気。
そして、「どこに行ってたんだ?話しなさい。」「そうよ、あなたのためにどれだけの人が心配したと思ってるの。」?とお説教タイムに突入。こういう展開ドラマであったね。大体家出。
ホルムは、「ちょっとお花を摘みに行っていたの。」とある意味お約束の回答で、すっとぼけるつもり満々だ。俺がいなかったら、トイレついでにほんとに純潔なかったかもな。
すると、「どこまで行ったか知らんが、誘拐をにおわせるような感じがしたから遠出はほどほどにしてくれ、いいな?」、「そうよ、いったいどこのトイレに行ってたのよ!」と旦那さん、あんたさすが目の付け所が違うね。もうゴブリン誘拐未遂でしたよほんと。
あと奥さん、貴方は絶対レディースで女番長張ってたんじゃないですか。そういうお花じゃないし、旦那さんの真剣な心配の後でギャップがひどいし、使用人も涙どころかもう口元抑えちゃってますよ。笑われてますよあなた。
そして、そこに何も突っ込まない旦那さんは何なのか。いろいろと平常運転がやばそうな家族である。
ペド嬢、お前の家族はもしかしたら案外大した貴族じゃないかもだぞ、そうだったら貴族らしくしろとか思ってごめん。この親にして、お前には無理だった。
それにしても、悲しくなるポイントも喜劇に塗り替えられているようで、褒美の話及び俺の存在についてそろそろひとこと言わせてもらっていいですかねバカ親子。