ゴブリンは蜜の味?
さてと、初依頼ゴブリン退治にいざ行かん。というか、もうウルフは倒してますーん
あいつらの悔しそうな顔、くうーん、笑える。わんこだよわんこ。
まあ、俺にはそういう情に訴えてくるような尻尾振りまく愛想なんて頼んでないんで。
もう、どちらかといえば、チワワうるせシッシッだから。ウルフクレイジーノットバイトミー。
それで、今回ゴブリンといえども初の人型だから二足歩行だよねって話。
本当は誰かに応援してほしかったけど、シクシク、誰もついてきてくれない。
あ、なぜか行く道にスタンバっていたクソ雑魚センパイはノーカンで。
そういえば、宿屋でユキノちゃんとも話したっけ。お水はサービスってことで。
ユキノちゃんはいい子だった。ゴブリンについてもいろいろ教えてくれた。
しかも、倒したことあるって。もしや、隠れた才能をお持ちではないかな。
結論そんなことなかった。ゴブリンは雑魚らしい。そうか雑魚なのかって。
簡単に言えば、その性格はオークに似て、他種族専門の女食いだ。意味は察して。
そんなわけで、ゴブリンはその性格のためオークとそろって嫌われモンなのだが、女性からしたらオークより恨みを買っているらしい。
そもそも、オークとゴブリンじゃ数が圧倒的にゴブリンで、エンカウント率もゴブリン様様だ。
だから、外で男女がキャッキャウフフしていて、いいムードになってきて、キスなんかいいんじゃないかって目を閉じると、キシャーなんて下品な声が聞こえるなんてことがあるそうだ。
そして、ムードを邪魔された女子は特にその場でこぶしを振りかぶり、ガツンと一撃食らわせるとか。
こえー、この世界の女のプライベート領域怖いわ。拳でゴブリン瀕死なんですが。
という風に、竹下通りでデートしてたら勧誘セールスに捕まる並みの鉢合わせの悪さということで。
まあ、この話始まった時から思うんだが、ユキノちゃんゴブリン倒せる若しくはゴブリン倒した歴ありそうな感じがするんだが、宿娘なんだが。
そんなこんなで情報収集した俺孝一だが、今目の前にゴブリンがいます。その目の前に女の子がいます。
その女の子は、ひらひらした青のドレスのようなものを着ており、銀髪を月というようになびかせるさながらファッションリーダー。皮鎧が地べたを思わせるくらいにはかすむ。
いやー、な予感だが、俺はこの女の子を知っている気がする。そうだ、貴族の子である。
正直どうでもいい貴族はどうでもいいんだが、民に善政を敷くような人物のことをおいそれと公共の場で罵るものなら、ねぇ。
というわけで、そんな徳貴族の娘がゴブリンに囲まれて、これは集団でプレイですな。よし殺そう。
さっきっからね、理不尽にもデートの邪魔で半殺しにされるゴブリンセンパイの話をきいてきたわけだ。
男として、ちょっと女の子に近づきたいとか、ヒロイン攻略したいとかいろいろあるだろう、俺も同じだ。
そこにシンパシーを感じて、ゴブリンセンパイをいたたまれないモブとして同弟として仲間意識をしていた俺だが、さすがにその子はダメだ。
そいつは善の娘、ご令嬢、貴族の逆鱗だから。お前らクズはやられるフリ若しくは本当にやられなきゃダメだからな。
まったく、色づきやがって。兄弟の後始末は俺がやらなきゃいけないみたいみたいだな。
まずは剣を抜き、右に振りぬく。まだ、間合いの外だぞ。何も切れてない。ただのカッコつけ。
そのまま女の子に突進。ゴブリンがよけ、間隔があく。
そこで俺は振り返り、斬撃をイメージしながら横に薙ぎ払うように振り抜く。
もちろん、イメージとして奴らの後ろにある木を一本倒すようにするのを忘れない。
なんたって、俺は概念最強だからな。神様、調子乗る自分をお許しください。
そして、イメージ通りに首チョンパンナコッタなゴブリンと大木の切断に成功し、気分がいい俺。
後ろにいる貴族令嬢は見事にぺたんと尻もちついてる。俺はこの子のお尻を守ったぞ!
おもわずガッツポーズしたわ。女の子には見られても何のそのだ。
だが、しばらくすると女の子が俺をにらみつけたような状況になってるんだけど。
えー、俺なんかした?君に一切触れてないよな。悪いお兄さんじゃないよ。
しかもさー助けてあげたじゃん。そのシミは涙なんて綺麗なものじゃないだろ?
思わずそこみると隠された。隠してどうこうなるわけじゃないから。臭いとかあるから。
顔を赤く染めたようにゆでだこな女の子はキッとした目で俺を見てくる。
残念だな、俺そういう子タイプじゃないから。助けたから金くれ。
とりあえず、そんな感じで手を差し出したら、普通に手を置いてきた。お前マジで無一文か。
すると、いきなり女の子が、「よく私を助けたわね。でも、あれは私の獲物よ。」とマジでめんどくさいことを言ってきた。
しかたないので、穏便に済ませるためにゴブリンの首を差し出したら、ひゃっ、なんていって普通に怖がっているし、ユキノちゃんがたくましいだけかな。
そんなことを思っていたら、女の子が、「あんた、その首もってうちまで来なさいよ。」なんていってくるものだから、なんか面倒くさいと思いつつ、貴族にあって褒美をもらえたらとすでにうっはうっはな気持ちで女の子についていった。
ゴブリン退治で女の子(貴族)が釣れたのかな?大漁か?ゴブリンがな。