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ミースの気持ち

書き溜めなくなりました。

1日3000字くらいは書けるよう頑張ります。

戦いたい……面白いかどうかは分かりませんが。

「ヤイさん、どこに行こうか。やっぱり服でも見る?」


「いえ、女性服を買っても置く場所が限られてますし」


「私が預かるよ。私と一緒じゃないと女性の格好なんてしないでしょ? それに、見るだけでも楽しいと思うし」


「まあ、アリスさんがそう言うなら」


 お二人が仲良く会話をしている。楽しそうです。私も混ざりたいですが、今は仕方ないです。


 ヤイという方……紹介されてない身ですけど、ヤイさんと呼ばせてもらいますかね。

 そのヤイさんが、まだ敬語なのは付き人に戻った時に、うっかり出てしまうことを警戒しているのと、この喋り方が日常になってしまったことが理由のようです。気持ちがよくわかります。


「やっぱりチラチラ見られますね」


「そういうのは無視だよ。何かあっても私が対応するから」


 それは、仕方ないかと。二人とも、とてもお綺麗ですし。

 それにしても、部屋で話したとは言え、アリスさんのヤイさんに対する対応の変化が凄いですね。やっぱりライクさんが絡んでいたからですかね。そして、ライクさんは私の予想通り酷い経験があるようでしたね……


 あの会話から、アリスさんの私との出会いでの警戒に、何も思わなくなりました。むしろ、当然だと思えるようになりましたね。これなら、問題なく心を繋げそうです。ライクさんはこれを狙って……無いですね。


「この後はどうしましょうか」


「そうだねー。ん?」


 アリスさんが目を止めました。その先に。


「……!」


 路地に汚れた服を着た女の子がいました。女の子はお二人を見ていたようで、アリスさんが目を向けたら逸らしてしまいました。


「アリスさん? ああ……スラムの子ですか」


 スラム……基本的にエルフ達と暮らす私達からすると、あり得ないですね。幾度か見たことはありますが、栄えていそうな街でもいるのですね……


「何をしてるのかな?」


「さて、人の食べ残し、盗み、色々ありますからね。あの年なら、食べ残しを捜してるんじゃないですかね。屋台などがありますから」


「そっか」


 アリスさんはそう言うと、屋台で焼いた肉を刺した串を買ってきました。そして、それをスラムの少女に持って行きました。


「はい」


「え……」


「お腹減ってるんでしょ?」


「……いいの?」


「あげるために買ったからね。あと、これ以上のことはできないからね」


「あ、ありがとう!」


 少女は嬉しそうに言いました。そして食べようとして、手が止まりました。


「どうしたの?」


「あ、あのこれ、ほかの子と分けてもいい?」


 随分優しい子のようです。厳しい環境なら、自分のことで精一杯なのが普通なはずですが。


「別にいいけど、奪われたりしない?」


「だ、大丈夫! 多分……」


 少女は不安そうに言いました。分けようとしている子達は良い子だとしても、道中が危険かもしれないのでしょう。


「では、私が何とかします」


「え? あーなるほど。物でもできるの?」


「ええ、問題ないです」


「でも……いいの?」


「今はこの格好ですし、別にかまいません」


「……?」


 少女は何のことか分からないようですが、ヤイさんが何かすると言うことは、幻術を使うのでしょう。少女にはバレてしまいますが、その程度なら良いと思ったのでしょう。


「じゃあ、私はボーナスをあげようかな」


 そう言うと、アリスさんはもう一本串を買ってきました。


「はい。もう一本」


「え!? ど、どうして?」


「ほかの子と分けようとした、優しさの分だよ」


 お二人は、優しいですね。やはり、ライクさんの影響でしょうか?


「では、串をしっかり持っててくださいね」


「え、う、うん」


「……イン」


「……え? き、消えちゃったよ?」


 見事なものです。串が全く見えません。


「手には感覚があるでしょう?」


「う、うん」


「時間が経てば見えてくるので、それまでに届けて分けるようにしてください」


「仲良く分けるんだよ?」


「……ぅっ」


 優しくされたことがなかったのでしょうか、少女が今にも泣きそうです。嬉しさを通り越して涙が溢れてきたようです。


「ほら、泣いてないで、早くほかの子達の所に行かないと見えるようになっちゃうよ。それに、さっきも言ったけど、私達ができるのはこれっきりなんだからね」


「わがっでる……お姉ざんだぢ、ありがどう……」


 そう言うと、少女はこちらに手を振りながら、路地の奥深くに消えていきました。

 手を振ったりして、串は大丈夫でしょうか。


「良かったのですか?」


「何が?」


「食べ物目当てで、群がるかもしれませんよ」


 ヤイさんが少し真剣な顔で言います。

 こういったことは人の欲深さの悪い例ですね。あの子自身は大丈夫そうでしたが。


「あの子はそんなことしないよ。ヤイさんだってそう思ったから魔法使ってくれたんでしょ?」


「それは、そうですが」


「それに、心配しなくても誰にでもあんなことするわけじゃないよ。兄さんの受け売りだけど、助けたいと思ったら無理の無い範囲でやるべきだって思ってるの」


「しかし、1日の食事では何もなりませんよ?」


「なるよ。1日の食事が食べられる。あの境遇で、それは十分嬉しいことだと思う。あの子の1日に嬉しいことができて、私も喜んでいる顔が見れて気持ちが楽になる」


「あの子を救うことはできなくても?」


「兄さんの言葉を借りるなら、救おうとするから1日が無駄に感じる。1日の食事を出すだけで希望になったりもする。無駄だからと、何もせずにモヤモヤして暮らすより、1日だけでも助けて相手も自分も満足させる方が良い。それに、人を救うことを個人で考えるなんて傲慢だ、個人はまれに一人の1日を助けるだけがちょうど良い。とか、兄さんが言ってたし」


「……ライク君は、年齢を偽ってませんか?」


 全くです。どんな経験をしたらそんな考えになるのか。


「これは、兄さんも受け売りって言ってたよ。そんな考えを聞いて、なるほどって思ったみたい」


「そうなのですか。是非その考えの方に会って話を聞いてみたいですね」


 私も興味がありますね。


「誰かは知らないけどね。ま、そんな話を聞いたから、こうしようって決めてるの」


「ですが、ほかの子達は来るかもしれませんよ?」


「別にいいよ、強引に来たとしても私ならどうにでもなるし。それに言ってしまえば、私はあの子を助けたいと思っただけ。何も考えず、何もしない子達まで助ける気はないよ」


 この辺はドライですね。まあ、色々な人を見てきた私から言うと、人の優しさに付け込む人間はろくなものじゃないですしね。


「あの子、何かしましたっけ?」


「取るのをためらって、確認をして、お礼を言った。スラムの子なら上出来だよ。さらにほかの子の心配もしたから満点だね」


「なるほど。そうでしたね」


 渡す時に試したんですね、どんな子なのか。普通の子でも中々できない子がいますからね。スラムという環境で、それができる少女は大切にすべきでしょう。


 それからは、お二人は色々な店を回り、楽しげな時間が過ぎていきました。

 私も早くその中に入りたいです。見ているだけは暇です。


「さて、そろそろ帰りますか?」


「そうだね」


 人が少なくなった街を見て、お二人がそう言って帰路につこうとしたら、ガラの悪い二人が近付いてきました。


「おお、可愛い子がいるじゃねえか」


「そうだな。嬢ちゃん達、俺たちと遊んでいかねーか?」


 ろくなことでないのは、顔と声でわかります。さっきの少女のような人もいれば、こんなのもいるんですね。

 この時アリスさんは、ヤイさんを守るように前に出ていました。その守られているヤイさんは、少し震えていました。

 ど、どうしましょう。ライクさんに連絡すべきでしょうか。アリスさんの実力がわからない私では、判断が難しいです。


「お断り、帰って」


「ははは! 強気な嬢ちゃんだな。俺はこの嬢ちゃんに相手してもらおうか」


「じゃあ、俺はコッチの震えてる子にするか」


 二人組の一人が、ヤイさんに手を伸ばしてきました。

 ええ! 手が早過ぎですこのクズ達! 連絡しても間に合いません。魔法で守るしか––––


「っぐぼぁ」


「クズ」


 ……え? な、何が起こったんでしょう。

 ヤイさんに手を伸ばした男が、口から何かを吐き出しながら倒れました。


「気持ち悪い、道を汚さないで」


 アリスさんが何かしたのでしょうが、なにを? 何も見えませんでした。


「て、てめー! 何かしたのか!?」


「お腹に蹴りを入れただけ、女性に許可なく触れようとした罰」


 蹴り、ですか。相手が倒れる時には、アリスさんの足は普通に立っていたのですが……蹴ってから足が戻る確認もできませんでしたね。早過ぎです。


「くそがー!」


 明らかに実力差があるというのに挑むのですか。愚かですね。

 アリスさんは、殴りかかってきた拳を正面から掴みました。


「なに? この拳。下卑(げび)た理由なら倒れた男のような目にあってもらうけど」


「く! は、離せ!」


 バカな男は、アリスさんの手から逃れようとしますが、ビクともしません。


「ふーん。今は、下卑たことを考えてないか、なら軽くでいいかなっ」


「ぐほっ」


 あ、今度は見えました。


 男は膝をついてから地面に突っ伏しました。

 軽くであれなんですか、恐ろしいですが、頼もしくもありますね。


「全く、何で絡んでくるかな。ヤイさん大丈夫?」


「は、はい。すみません、突然で体が動かなくなってしまいました。情けないです」


「気にしないの。それだけの理由があるんでしょ? 私こそゴメンね、ちょっと軽く見てたのかもしれない。これだと女性の姿をするのはやめた方がいいかな」


 そうですね。女性として見られる度にこれでは少し心配です。


「いえ、このままではダメだと思っていたので、良い機会ですから克服しておきたいです」


「そう、大丈夫なの?」


「アリスさん達が守ってくれるでしょう?」


「はは、そうだね。任せて!」


 仲睦まじいです。羨ましいです。早く仲間に入りたいです。


「(おーい。何かあったのかー?)」


 え?


「(ライクさん? どうしました?)」


「(ああ、なんか焦っているような気持ちが伝わったんだが?」


 え? あれ? 契約者はお互いに伝わるんでしたっけ? まあ、いいですか。ライクさんですし。


「(いえ、何でもありません。アリスさんがバカを撃退しただけです。というか、ライクさん! アリスさんの実力がわからないのに、アリスさんが対応できないかどうかなんて、わかるわけないじゃないですか)」


「(ええ? 今言うのか? 了承したじゃないか。あと、バカなんて言葉知ってたんだな」


「(知ってますよ! 貶す相手がいなかっただけです。そして、あの了承は挨拶みたいなものじゃないですか)」


「(……ミースそれはダメだろぉ。でも、重大なことになる前でよかった。お前には危機管理、という概念を叩き込まないといけないな)」


 え? お、怒ってます? 私が悪いのですか? そんな筈は……


「(ラ、ライクさんだって危機管理できてないじゃないですか!)」


「(俺は、自分が危ないとわかっていて、何があっても対応する心構えはしている。だけど、ミースお前は危険なんて無いと思っていたんだろ? それは、ダメだなぁ)」


「(ひぃぃ!)」


 ライクさんが怖いです。


「さあ、ヤイさん改めて帰ろ」


「そうですね。しかし、この者達はどうしましょう?」


「こんなの無視でいいよ。手加減はしたから勝手に目覚めるよ」


「(大体、出会いの話からしてお前は危機管理がなっていなくてだな……」


「それよりヤイさん、家で着替える時に買った服も着てみようよ」


「はい。しかし、似合うかどうか……」


 お二人が楽しそうに会話している中、私はライクさんに、延々と危機管理について注意されました。私の方が年上なのに……


 その後は、何事も無くライクさん達の家に着き。ヤイさんを男装にして見送り、夕食を食べてから、部屋でライクさんにアリスさんと心で繋がっても大丈夫なことを告げました。


「そうか。ヤイといい、ミースといい、アリスは仲良くなるの早いな」


「二人共、兄さんが仕組んだようなものだと思うけど?」


「……」


 ライクさんが見つめてきます。部屋でのアリスさんとヤイさんとのことは無実です。そもそも、まだアリスさんと喋れませんし、ヤイさんを口止めしないライクさんが悪いです。


「まあ、いいけどね。ヤイさんと仲良くなれたし、ある程度活動したら旅をするって言っても、手紙でやり取りができるって言ってくれたからね。ただ、兄さんに「旅をするなら言っておいてくださいこの野郎」って伝えてって言われたよ」


「お、おう。そういえば言ってなかったか」


「てっきり兄さんが伝えてると思ったのに、知らないって聞いてビックリしたよ」


 それは、そうですよね。友達になってと言っておいて、旅をするからサヨナラ〜とか、嫌がらせかと思いますよね。


「でも、アリスが残……何でもない」


 今度はアリスさんがジッとライクさんを見つめていました。

 アリスさんが残ればいい、とでも言うつもりだったのでしょうが、アリスさんが了承する筈がありませんね。


「とりあえず、早く繋げよ。ミースと早く喋ってみたいし」


「そうだな。確かミースがアリスと俺に触れていればいいんだよな? あれ? ミース達妖精は触れられないんじゃ?」


「(大丈夫です。肉体で触れるというより、生命力で繋がる感覚で、3つの個体が線で繋がるような感じです。今回は私が中心となって中継してお二人と会話ができます)」


「そうか、とりあえず繋げてもらえるか? アリスに説明するのも面倒だがら、ミースがまとめて教えてくれ」


「そうそう、早くやっちゃっていいよ」


「(わかりました)」


 えーと、まずはライクさんの生命力を確認して、アリスさんのを確認して……? 兄弟にしては変わってますね。まあ、問題ないのでいいです。ふむふむ、よし、あとは二人同時に触れて……完了です。


「(終わりました)」


「聞こえた!?」


「そうみたいだな」


「可愛い感じかと思ってたけど、綺麗な声だね」


 て、照れます。


「(ありがとうございます)」


「じゃあ、改めてよろしくね。ミース」


「(よろしくお願いします)」


「普通に喋るのもいいけど、心で喋る練習もしておいた方がいいぞ。一人で喋ってる、くらいならいいが、ミースがいると知れるのはマズイからな」


「そうだったね。(……こうかな)」


「(はい、伝わっていますよ)」


「(そう? よかった)」


「(ちなみに、これは繋がっている者全員に伝わってしまうのか? アリスに言いたい時、ミースに言いたい時に分けることはできないのか?)」


「(えっとですね。私が中継しているので、ライクさんがアリスさんに伝える時は、私を通さないといけませんね)」


「(それは、わざわざミースが言葉にして伝えるのか?)」


「(いえ、私が聞いてから、その音をアリスさんに流すかどうかを決めているだけです。今の会話も聞いてからアリスさんに流してますよ)」


「(うん。ちゃんと聞こえてるよー)」


「(そうか、アリスに伝えたくない時は、ミースを口止めする必要があるのか)」


 これは、アリスさんに流しておきましょう。


「(兄さん? 旅とは別に、まだ何か秘密にするようなことがあるのかな?)」


「(ちょっ、ミース! 察しの良さはどうした!?)」


 失礼な、見事な察しの良さだと自負しています。

 その後はアリスさんとライクさんの、心での弁明と追及が少しの間続きました。はたから見たら、喋らずに動作だけで何をやっているのかと思うのでしょうね。


 そして時間が経ち、お二人の話が終わると。


「さて、誤解も解けたところで、もう寝るか」


「誤解かな? 将来なにか隠しそうだけど」


 ライクさんが何とも言えない表情です。


「と、ところで、妖精って寝るのか?」


 誤魔化しましたね。


「(寝る必要はありませんね。暇でやることが無い時は、寝たりして時間を潰します)」


「堕落しているように聞こえるな。ならとりあえず、女性だし寝るのはアリスの部屋でいいな」


「(別に起きていてもいいですし、一体化でも眠れますよ?」


「外で危険なら、そうすることもあるかもしれないが、家なら別にいいだろ。二人で一緒に寝て仲を深めたらどうだ?」


「いいかもね。そうしよっかミース」


「(お二人がそう言うなら)」


 実は一体化しない睡眠は結構好きなので助かります。頭がスッキリしている気がするんですよね。


「じゃあ、兄さん。おやすみー」


「(おやすみなさい)」


「ああ、おやすみ」


 アリスさんと私は部屋を出て、アリスさんの部屋に向かいました。


「(今日は色々あったなー、ミースもそうなんじゃない?)」


「(そうですね……アリスさん。部屋でちょっと話があるんですけど)」


「(ん、わかった)」


 アリスさんは私を部屋へ招き入れてくれました。


「で? どうしたの?」


「(えっとー、すみません! 部屋でのヤイさんとの会話聞いてしまいました)」


 私は、また全力で空中土下座をした。


「あー、やっぱり聞かれてたんだ。恥ずかしいなぁ」


 アリスさんが恥ずかしそうな声で言う。


「(本当にすみません。あんな話になるとは思わず、しかもついつい聞き入ってしまいました)」


 土下座以上のことをしたい気持ちでしたが、これ以上の謝罪を知らなくて、とにかく土下座を続けました。


「ミースは真面目だね、気にし過ぎだよ。確かに恥ずかしいけど、それぐらいで怒らないよ。だから、その土下座やめて」


「(……わかりました。ありがとうございます)」


 わたしは土下座をやめて、お辞儀をしました。


「それに、そんなことがあったから、ミースは私を信頼してくれたんじゃないの?」


「(そうですね。ライクさんへの思いが確かに伝わりました。その思いがあればこその、視線だったのだとわかりました)」


「改めて言われると照れるけどね」


 少し微笑みながらアリスさんは言います。


「なら、ミースも兄さんの危なっかしさが伝わったんじゃない?」


「(身近な人に優しく、自分がどんな時でも他人を気遣う人だと思い知りました。あと、厳しくもあるようで、アリスさん達が家に着くまでに散々怒られました)」


「うん? なにを怒られたの?」


 私は危機管理について怒られたことを伝えました。


「あー、それは仕方ないね。兄さん私にも散々言ってたからね。兄さんは体が傷付きやすいから自分を重ねてるんだと思うよ。油断したら死ぬって思ってるんだね」


 なるほど、確かに私はバカな人達が近付いてきた時、気付いてはいましたけど、何かしてくるとこを考えてませんでしたからね。ライクさんの立場でその考えは、大怪我もしくは死を意味したのかもしれません。


「兄さんを嫌わないでね。ミースのことを気にして怒ったはずだから」


「(嫌うなんてことはあり得ませんよ。気にしてもらえる大切さを知っていますから)」


「そっか」


 アリスさんは嬉しそうに言いました。


「じゃあ、もうちょっと親睦を深めようか。兄さんを守る者同士」


「(それは良いですね)」


 それから私達はお互いのこと、私の長年の経験や出会った種族、ライクさんのイタズラや修練のこと、色々なことを話してから眠りにつきました。

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