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地下

遅くなりました。

イア視点でちょっと時間をさかのぼってます。

時間の矛盾にならないように気を付けてますが、不安です。


 ぽた、ぽた……何かが顔に落ちている感覚で私は目を覚ます。


「……ここは?」


 そこは暗かった、ポツポツと炎が立っていたけど、何か重苦しい感じがして見た目以上に暗く感じ、恐怖も感じた……そんな場所に私は冷たい石の地面に寝ていて、すぐ近くには鉄格子が見え、縛られてはいないけど牢屋にでも入れられているんだと思った。


「イィアァァ〜、いぎでてよがっだの〜!」


 この場所にばかり注意がいって気付かなかったけど、寝転んでいる私のすぐそばで泣いているラールが居たようで、倒れたままの私に抱きついて来る。


「もう、目をざまさないがと思ったの〜!」


「痛い痛い、嬉しいのはわかったから。私たちの今の状況教えて」


 普段のラールは頼りになるけど、壁みたいなのが1度壊れるとこうなっちゃうから、私がしっかりしないと……

 私は起き上がってラールをなだめ、話をする。


「今のイアは変な敬語がなくなって、雰囲気が頼りになるイアになってるの」


「あ……え? 変なの? です?」


 癖にしないと身に付かないと言われてたのに、敬語のことスッカリ忘れてた……です。ただ、それよりも……変?


「あ……これはみんなで言わない約束だったの……」


 なんでも、私の敬語は変だったらしい。でも、マザーが個性として残そうと指摘をしないように言ったそう……何か納得できない……です。

 で、ラールは頼りになる私の時は敬語をやめたほうが良い、と言うのでそうするけど、頼りになる私って何?


「だって、イアは危険な時に頼る人がいなかったら、自分で何とかしようとするの。その時はマザーの次に頼りになるの」


「そうなの? かな?」


 初めて知った。マザー達の中で私は、危険な時に頼れる人が居たり、現れたりすると、気弱になったり泣いたりするけど、追い込まれると頑張る子という評価だったらしい……な、泣かないし! でも、そんなこと自分では考えたこともなかった。ただ頑張らないと、と考えてただけだから。


「とりあえず、ここはどこなの? ラールはずっと起きてたの?」


「起きてたけど、わからないの」


 なんでも、前触れもなく突然この暗い場所に着いたそう。そして、綺麗なエルフの人に牢屋の中で大人しくするように言い、エルフの人は消えたみたい。


「サイクとイサカは?」


「……多分、この牢屋と反対側の方の牢屋に見える人がそうだと思うの」


 鉄格子ごしに確認すると、確かに通路を挟んだ反対側に牢屋がいくつも並んでいた。私たちは端にいるようで、私の目線から右側は壁と地下に下りる階段が見え、左側は鉄格子ごしから見る限り通路がまっすぐ続いているようだった。そして、天井が低く窓もないので、多分ここは地下で出口から遠い位置に私たちはいるみたい。で、改めて反対側の牢屋をよく見ると、大人とは思えない2人の人影が見える。ただ、倒れたまま動いていなかった。


「……生きてるよね?」


「わ、からないの……し、しんで……るかも、しれないっ……」


 ラールは声が震えていて、今にも泣きそうになってる。


「ごめん……言っちゃいけないことだった。きっと生きてる、あの2人がそんな簡単に死ぬわけない。冒険者のお兄ちゃん達の拳や蹴りを食らっても無事だったみたいだし。同じ目にあったラールが1番よく知ってるよね」


 そう言うとラールは深く頷いた。


「……うん。あの痛みに耐えられる2人が簡単に死ぬはずないの」


 ラールの泣きそうだった顔が少し和らいだ。ちょっとは前向きになったみたいで良かった。

 さて、大人しくしているように言われたらしいけど、鉄格子ごしに周りを見る限り誰もいないように見える。反対側に声を掛けるくらいは大丈夫だと思い、声を出そうとしたら……コツ、コツと足音が右側の地下から聞こえてきた。


「な、なにか来るの……」


 怯えるラールを宥めながら、地下への階段をジッと見つめる……すると現れたのは……


「あら、元気そうで何よりですわ」


「ひぃっ!」


 私を苦しめたエルフの女性だった……


「人の顔を見て悲鳴とは失礼ですわね、そんな恐ろしい顔はしてないですわ。それに、貴方にはまだ何もしてませんし」


 そう言いながら、エルフの人は鉄格子を開ける。ラールは恐怖からか私に抱きついて震え続けてる。


「……私たちに何かするの?」


「ええ、地下に来てもらいますわ」


 牢屋から出るように促される。

 私は大人しく従い、ラールに抱きつかれたまま牢からでる。


「じゃあ、行きますわよ」


「あの……あっちで倒れてる人は?」


「ああ、あれは貴方たちと一緒にいた子供ですわ。まだ生きてますから、目を覚ましたら地下に来てもらいますわ」


 そっか、生きてると確信できて少しホッとした。けど、みんなを連れてこの人から逃げられる気がしない……私にできることは、大人しく従って、助けが来るまで生きて耐えることくらいかな。


 私たちはエルフの人について行き、地下への階段を下りて行き……ある程度進むと。


「そろそろ耳を塞いだ方がいいかもしれませんわ。うるさいかもしれませんから」


 よくわからないけど、忠告通りに耳を塞ぐ。けど、ラールは私に抱きついたままで塞ごうとはしていなかったから、私の手で塞いで私自身は耐えることにした。

 それから少し下りると……


「あああああぁぁぁぁーーー!!!」


「「っ!?」」


 凄い絶叫が聞こえた……


「いだいぃぃ! いだい! いだぁぁ…………」


「…………っ痛」


 ……この先で行われることを考え、私は思わず後ずさり、段に引っかかって階段にお尻をぶつけて座り込んでしまった……


「あら、もう死んだみたいですね。あの程度で死ぬとはだらしない、貴方なら……あら? どうしました? 座り込んで」


「な、何でもない」


 私は立ち上がろうとするも、足が震えて力がはいらなかった……


「イ、アァ……」


 ラールも同様で力がはいらないようだった。

 い、急いで立たないと! 何が機嫌を悪くして殺されるかわからない! 動いてよ!

 必死の願いも叶うことはなく、それでも足は動いてくれなかった。


「……? ああ、ベリアに聞いた恐怖で力がはいらないと言うやつですか。精神的な恐怖や苦しみは本当によくわからないですわ」


 エルフの人はそう言うと、手の平を私たちに向ける。殺される! と思って目を瞑ったけど……少し風を感じた他は何もなかった。意を決して目を開けると……私たちは浮いていた。


「「え!?」」


「動けないようですから、これで運びますわ」


「あ、はい……」


 エルフの人は嫌な顔1つせず淡々と言ってきて、私たちを運び出す。

 正直この人がよくわからなくなりそうだった。とんでもない人の筈だけど、今は乱暴には扱わないし、話は通じるし、残酷さを知らないと普通の人みたいで、私の考える酷い人達のイメージと違い過ぎた。

 でも、普通に喋ってくれるなら、少し怖いけど色々聞きたいことは聞いてみることにした。


「あの……マザー、貴方に立ちはだかった人はまだ無事なの?」


「あの女性ならまだ死んでませんわ。あれは実験が主ですから、死ぬとしても捕まえてる人間の中では一番最後ですわ」


 やっぱり普通に答えてくれた。でも、安心していいのか分からない話だった。ただ、みんな殺すつもりなんだと、気まぐれで生かすことは無いんだと、改めて覚悟を持つことはできた。


「どうして私たちは上の階にいたの? 最初から下に閉じ込めていればよかったのに」


「それは下に着けばわかりますわ」


 そして、浮いた状態で運ばれ、階段が終わりが見えてきた。


「そろそろ、気持ちの覚悟をしておいた方がいいですわ。それと、奥の牢屋などはあまり見ないことを勧めますわ」


 それはさっきの叫び声からある程度は想像していた。私たちはお互いを抱き締め、気持ちを固めていた。そして、この人の時檻の気遣いのような言葉は何なのだろう? という疑問は尽きなかった。


「……あの、なんで私たちを気遣ってるの?」


「気遣う? ああ、そう感じている人間も確かにいましたね」


 エルフの人は不思議そうに言う。


「しかし、私は気遣っているのではないです。そうですわね……例えるなら……」


 エルフの人が考えながら階段を下りきると同時に––––


「––––オモチャは綺麗な状態で遊びたいからですわ」


「ひぃっ…………」


 そんな言葉を振り向きながら笑顔で言われた。そして、その言葉を歪んだ形で表したように地下の惨状が目に飛び込んできて恐怖が倍増した。地下はさっきの場所と構造は一緒だったけど、壁や地面に血が飛び散り……う、腕や足が落ちていて、階段近くの牢屋には人が山積みになっていた……こんな様子にラールは耐えきれず気絶していた。


「もう体験しているでしょうが、貴方たちを分けていた理由は、地下だと子供は精神を長く保てないからですわ。なので、人数が多い時は上で、減ってきたら地下へ連れて来て、ここで待っていてもらいますわ」


 エルフの人が何か言っていたけど、私はそれどころじゃなかった。

 この場所は他にも何かが語りかけてきているような、何か不快なものに包まれているような、そんな不可解な感じがしていて、そっちの方に意識がいってしまっていたから。ただ、さっきと同じような牢屋に入れられたことはわかった。そして、後から死体のある所とは別であることに気付いて少しホッとした。


「さて、貴方……殺しました?」


「な、何がだ?」


「あの転がってる手足とあれのことですわ」


「あ、ああ。任されたから殺せばいいと思ったからっ!!?」


 突然、金属にぶつかったような大きな音が響いた。私は恐怖もあり、凄い勢いで反応した。


「殺せばいいものではないと言ったでしょう!」


 エルフの人が見知らぬおじさんを蹴飛ばしたみたいだった。


「くっ、ちゃんと手足の切断で苦しめてから殺したぞ!」


「ぬる過ぎる、そんなもの一瞬苦しいだけではないですか……入れ物として使うつもりだったら死んでもらうところですわ。全く、こんなものを使う必要があったのか、ベリアに問い質したいですわ」


 エルフの人はそう言うと奥の方に向かい視界から消えた。思わず目で追ってしまったけれど、幸いこの牢屋からは奥まで見えないようだった。


「……くそ」


 仲間割れ? 怒った理由はまるでわからなかったけど、入れ物ってどういうことだろ?

 そんなことを考えていると……


「よ、よせ! さ、触るなっ!? ああぁぁぁ!!」


「あら、気絶をしないということは、丁度いいみたいですわね」


 何かが始まったみたいだった……


「まずはこれくらいでしょうか」「ああぁぁ!!」「足には毒でも」「なっ……あ、足があぁぁ!」「四肢の先からやれば苦しみが長いでしょうか」「あ、アァァァ」「苦しんでる感じではありませんね……精神が壊れましたか。では毒を……」「グボぁぁ」「次ですわね」「ひぃ! た、助けて!!」「死は救済とでも思っててください」「いやああー! いたいぃぃ!」「うーん、どれくらいがいいのでしょう」「いや……たすけ……いだいイダイぃぃ!! あ、アァァ…………」「はぁ、脆すぎて面白くありませんわ」


 私はそこから耳を塞いだ……そして、聞いてしまったことを後悔した。最初は突然と衝撃過ぎて呆然としてしまった……あと、2人目は声から子どもみたいで、孤児院の仲間かもしれなかった。ただでさえ心がおかしくなりそうな場所で、そんなことを知るのは辛過ぎた。私はとにかく心を落ち着けようと、しばらく考えることをやめた。


 それから少しすると奥からエルフの人が出て来て、私は耳を塞ぐことをやめる。叫び声などは聞こえなかった……


「奥にある死体と、あなたがやったその辺のゴミをすべて運んでおきなさい。厳選した所には運ばないように」


「……わかった」


「あと、私はベリアを迎えに行ってきますわ。その時2人ほど送りますから、逃げられないように今いる人間共々見張っていなさい」


 それだけ言うとエルフの人はかき消えた。


「ちっ、なんで俺がこんなことを……いつか目にもの見せてやる」


 ふと見ると、おじさんの腕が化け物みたいになっていた。その後は見ないようにしていたけど、ドスッドスッと何か重たいものを投げる音が聞こえていた。そして、その音が聞こえなくなると……階段からコツ、コツと誰が地下に下りて来る足音が聞こえてきた。


「また来たのか……面倒だな」


「まだ終わらないのか!」


 下りて来た人は豪華な服を着ていて、偉そうで貴族のような人だった。


「何の用だ?」


「だから! 目的は終わったのかと聞いている! 目的が完了したら私の願いを聞く約束だろう!」


「まだ終わってないと思うぞ、というか俺に聞くな。その約束はベリアって奴との約束だろ」


「ちっ、急がせろ! 最近会えていないのはライクの奴が原因なんだ……早く離さないと……」


 貴族っぽい人はブツブツとそう言うと階段を上って去って行った。

 お兄ちゃんの知り合いかな……は! いけない弱気になるところだった。心を強く持たないと……でも、どうして私はライクお兄ちゃんをこんなに頼りにしてるんだろ? 助けてもらったけど、冒険者として強いかどうかは知らないのに……

 私は自分がよくわからなかった。


「毎回、毎回うるさいやつだな。ちょっとストレス発散といくか、殺さなきゃ何も言わねぇし」


 おじさんが私の所から見えない方に向かった後、牢屋の鉄格子を開ける音が聞こえた。


「く、来るな!」


「ちょっと付き合ってもらうぞ、おら!」


「あう! ぐっ!」


「くそ! ちくしょうが! あの女ぁ! 調子に! 乗りやがって! あの貴族もうるせぇ!」


「うっ! ぐは! うぅ……」


 孤児院の仲間かわからないけど、私とそれほど変わらない子が痛めつけられているみたいだった。そして、そんな弱い者の相手でしか強気に出れない大人に、私は恐怖よりも怒りが湧いてきた。


「やめて!」


 私は思わず牢屋の中から叫んだ。


「ああ? 誰が言ってやがる」


 この時、私は心を強く持つことと、他の子のために少し開き直る覚悟を決めた。あのおじさんはエルフの人に逆らってまで殺す勇気はなさそうだったから。


「弱虫! 軟弱者!」


「ああん!? こっちか!」


 向こうの鉄格子を勢いよく閉めるような音が聞こえ、おじさんがこっちの牢屋に来て、また勢いよく鉄格子を開けて中に入って来る。


「てめぇか……何のつもりだ?」


「間違ってないよね? エルフの人には強くでれてないようだし」


「いい度胸じゃねぇか!」


「うっ、ぐ!」


 おじさんは私を片手で持ち上げ、牢屋の壁に投げつける。


「覚悟はできてんだろうな!」


 死ぬつもりはないけど、そんなものとっくに出来てる。

 私は立ち上がり、気絶しているラールを巻き込まないように牢屋から出ようと、鉄格子に背を向けているおじさんの脇を抜けようとする。


「おら!」


「ぐっ」


 だけど、横に蹴飛ばされ壁にぶつかる。でも、大したことはなかった。私はぶつかった途端すぐに行動し、鉄格子を開け牢屋から出ると……


「ガキの足で逃げられるわけねぇだろ!」


「うっ!?」


 今度は背中に衝撃が走って私は吹き飛び、大きな音をたてて反対側の牢屋の鉄格子にぶつかる。


「くっ! つうぅ……ゴホッ! ゴホッ」


 い、今のは痛かった……でも、ラールから離れることはできたから、後は死なないように耐えるだけ。


「この程度で終わると思うなよ! おら! くそが!」


「ぐっ! う!」


 おじさんが腹やら顔やらを蹴ってくるのを、私はできるだけ手や足で防御して耐え続けた。そしてこの時、私の居た所の隣の牢屋が見え、そこにマザーとラミナお姉ちゃんがはりつけのような形で縛られていたのが見えた。マザー達の様子をよく見たくて牢屋を見続けていたら、その牢屋の中に人が突然現れ、頭を抱えていた。

 ……え? 誰だろ、私たちと一緒で連れてこられた人かな?


「調子にのっ! ……いてぇ…………」


 私が牢屋の方に集中していると、とがった小石のような物が降ってきた。突然蹴りが止まったのでふと見上げると、おじさんの頭から血が垂れていた。


「……どいつが投げつけやがったああぁぁ!!」


 おじさんが叫び、周りを見回した途端に小石が沢山飛んできた。


「卑怯者!」「弱虫!」「お姉ちゃんから離れろー」「お前なんか怖くないぞ!」


 子供たち孤児院の仲間もいた。こちらまで届いていないけど、鉄格子の隙間から必死で小石を投げていた。この時、嬉しくはあったけど危険だと思った。


「みんな! やめ––––」


「クソが! どいつもこいつも! 俺をバカにしやがって! あんなエルフ女なんて関係ねえ! ぶっ殺してやる!」


 おじさんが凄い形相になる。ここまで怒らすつもりはなかったので、どうしようかと焦っていると。


「……なんのつもりですの?」


「え……」


 いつの間にか、エルフの人が魔道士っぽい人と一緒におじさんの背中に立っていて、おじさんの顔は一気に青ざめていた


「あんた……帰ってたのか……」


「死にたいなら殺してあげてもいいですが?」


「いや……死にたくはない……」


「なら、サッサと連れてきた2人をあの女性のように縛っておきなさい。あと、貴方と関係ある2人のようですから、殺さない程度には好きにしていいですわよ」


 そう言って、エルフの人は後ろから捕まえている魔道士っぽい人を突き出す。


「なんで、クズがこんなところに……」


「お前は、賭けの対象にした女じゃねえか」


 魔道士の女性は嫌そうな顔をし、おじさんは嬉しそうに気持ち悪い顔をしていた。


「わかったらサッサと縛って好きにしなさい」


「あ、ああ……縛るのはいいんだが、縛った後や縛るまで間に魔法で抵抗されそうなんだが……」


「私が魔力を押さえますし、少しくらい私から離れても魔法は使えませんわ。それに、まだ未熟者のようですから、牢屋に入れてしまえば魔法は使えませんわ」


「それでさっきから……でも、未熟?」


「それなら好きにさせてもらうぜ」


「あと、その子を傷付けたことは許したわけではないので、後でそれなりの罰は受けてもらいますわ」


「わ、わかった」


 エルフの人は魔道士の人をおじさんに預けて。次に、私に手のひらを向けて浮かせ、元いた牢屋に運ぶ。


「では、私はすることがあるので任せますわ……ま、問題ないでしょう」


 最後は呟くように言うと、エルフの人はまた消えた。


「さあて、許しがでたからには楽しませてもらおうか〜」


 おじさんは、楽しそうに預けられた魔道士の人を牢屋に入れていた。


「触るな!」


 魔道士の人が叫ぶ。

 何とかしてあげたいけど、今度のおじさんは私たち子供の挑発に一切耳を貸さなかった。私はどうしようかと考えていると……ギィィと鉄格子が開く音がして、見ると鉄格子が1人でに開いていた。


「あれ? エルフの人が鍵をかけていたはずだけど……え!?」


 牢屋の外から腕だけが浮いて見えたと思ったら、腕から徐々に人の姿が作られていった。


「本当に牢屋の中では魔法は上手く使えないようですね」


「ヤイお姉ちゃん!?」


 執事服を着たヤイお姉ちゃんだった。

次は確認だけなので明日か明後日に投稿します。

拷問は大体それぞれの頭の中で想像してください。細かく書けそうもないので


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