表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/25

ギルド

冒険者ランが一部ライになってました。すみません。

説明ってなくならないのかな……

短いです。もうちょっとスピードあげたい。

「改めて思うけど、年下だけどアリスちゃんは強いねー。誰かに鍛えてもらったの?」


「はい。父と母、それと兄から色々学びました」


「そうなんだー」


「ゲオル達は仲が良いみたいだけど、昔馴染みなのか?」


「腐れ縁」


「同じ村の出身だ。3人の才能がうまく分かれてな、冒険者をやってみるのも良いかと思ってな」


「へえー、確かにバランス良さそうだもんな」


「戦ってる姿を見てないけど、ライク君もやっぱり強いの?」


「はい。私は人生で一度も勝ったことはないです」


「へえー、あの戦いぶりのアリスちゃんでも勝てないのか」


 俺達は街に向かう間、お互いのことを話し合っていると、コワの街が見えてきた。


「ついたついた」


「生還」


「生きて帰ってこれたな」


 3人ともホッとした表情だった。

 死線を経験したからなのか、街に着くまでは不安だったみたいだ。


「じゃあ、すぐにでもギルドに行こうー」


 ランが門に向かう。

 ナジとかは……いないみたいだな。俺も別の意味でホッとする。

 門は問題なくスムーズに街に入れた。


「相変わらず人が多いねー」


「村にいた頃は考えられない」


「慣れないな、この人の多さは」


 村から出てきた3人には慣れない光景らしい。大通りだしな。

 その大通りをある程度進み、道を曲がり人の賑わいから離れていくと。


「あったあった。迷わなくて良かったー」


 ギルドが見つかったが、迷う?


「え、迷ったことがあるのか?」


「この街は広い、仕方のないこと」


「そこの2人が迷ったんだよ。探すのに苦労したぞ」


「ゲオルが案内してくれてもいいのに、私達に道を覚えさせるために何も言わないんだよー」


「召使いのくせに生意気」


「だから、俺は戦士だ!」


「仲が良くて羨ましいです」


 3人が言い合いしている様子をアリスが眺めていた。

 アリスにはヤイやミースがいるだろうに。


「(ここがギルドですか)」


 そのミースはギルドの建物を確認しているみたいだ。


「(大通りからは少し離れているんですね)」


「(ああ、理由があってな。スラムの近くに建てて見張りのような役割のため、らしいぞ)」


「(見張り、ですか)」


「(ああ、ここには冒険者が集まるからな。犯罪を犯したものを捕まえると、街からギルド、冒険者に謝礼があるから、冒険者を治安維持のために使っているみたいだな。ギルドは金で治安維持を行なっている感じだ。国とは独立してるからな)」


「(冒険者が捕まえない場合もあると思いますけど)」


「(ギルドは義務じゃないからな。捕まえないのも冒険者の自由だ。ただ、ランクの低い冒険者は積極的にやるらしいから、理にかなってるみたいだぞ)」


「(それなら、恨みでギルドは襲われたりしないんですか?)」


「(母さん達が言うには、ギルドを敵に回す奴は基本バカしかいないそうだ)」


「(バカ、ですか?)」


「(ギルドは世界で見てかなり大きい組織らしいから、ちょっとした団体が襲ってきても返り討ちだそうだ。そんな奴らはギルドの大きさを知らないバカで、大きさを知っている奴らはそもそも襲おうと思わないらしい)」


「(なるほど。しかし、そもそも治安維持をするなら兵士を回してくればいいのでは?)」


「(街の兵士は実戦経験が少ないから冒険者より使えないらしいぞ。精鋭部隊なんかは強いらしいが)」


「(本当に色々と理にかなっているんですね)」


 そうかもしれない。

 兵士は定期的に給金が発生するが、冒険者は犯罪者が出なかったら金を払う必要がないからな。兵士も昇進する基準にもなるらしく、捕まえることはあるが、主に見回りで犯罪予防を目的としているそうだ。


「ライクくーん。ボーっとしてないで入るよ」


「ああ、すまん」


 いつの間にか言い合いが終わっていたみたいだ。ランに言われ、俺達はギルドの建物に入る。


「結構、人がいるんですね」


 ギルドの中は結構広い、地下に訓練や決闘用のスペースもあるらしい。昼を過ぎた時間だが、そこそこ人がいるようだ。


「そうだねー。朝に受けて帰ってきた人なんかがいるんじゃないかな」


「私達もそう」


「死にかけたけどな」


 はは、トラウマになってないといいが。


「じゃあ、ミナネさんの所に並ぼっか」


「ん? 3人はミナネさんが担当なのか?」


「そう。知り合い?」


「はい。担当はミナネさんにすると約束もしてました」


「奇遇だな」


 全くだ。だけど、丁度いいのも事実だな。

 大人しく並んで待っていると、俺達の番が回ってきた。


「お待たせしました。あら、3人とも無事に帰ってきたのね」


「はい。何とか生きてますよー」


 ラン達は倒した魔物の一部や素材を出した。これらは、俺達と合流する前に倒した物で、これだけ倒したという証明と素材の売買だ。機器から、魔力の溜まり具合でもある程度わかるそうだが、どんな魔物を倒したか詳しくわからないらしい。ちなみに、俺達が倒した魔物はラン達に渡そうと思ったが、受けとろうとしなかったので、ミースに燃やしてもらっている。


「へえー、結構頑張ったのね。怪我をした様子もないし」


 ミナネさんが、素材の数とラン達を見て感心していた。


「いえ、実は深追いをして50ほどの魔物の群れに遭遇しましたー」


 ランは軽いことのように言う。


「え!?」


「死にかけた」


「普通なら死んでたな」


 ゲオルとサーリアは頷いていた。


「ど、どうやって生き延びたの!?」


「この2人に助けられましたー」


 そう言って、ランは俺達の後ろに回って押し出す。


「ライク君にアリスちゃん!?」


 ミナネさんは少し驚いていた。3人が前にいたから、受付からは俺達が見えにくかったようだ。


「どうも、ミナネさん。ちょっと遅くなりましたけど、約束通りきました」


「担当の方よろしくお願いします」


「……お、遅かったじゃない。ずっと待ってたのに!」


 ミナネさんは少し固まっていたが、すぐに切り替えた。


「すみません。色々確認していたらこのタイミングになりまして」


「まあ、いいわ。それより、群れを倒したってホント? 魔物の一部とかある?」


「本当ですよ。ただ、収納袋を用意してなかったのでそういうのは無いです」


 収納袋というのは、見た目に反して多くの物が入る道具だ。サイズや容量は色々だが、手のひらほどの大きさで貴族の豪邸が入る物もあるそうだ。


「でも、私達の機器と魔石を見せればわかる」


「そうだな。ミナネさん、魔石と機器です」


 ゲオルが魔石と機器を受付に置く。


「え!? 魔石ができてる……2つも? ちょっと待ってて」


 ミナネさんは機器を持っていき、奥の方で何かをし始めて少しすると、すぐに戻ってきた。


「確認したわ。間違いなくゴブリンほどのランクEを50は倒しているわね」


 結構正確にわかるんだな。あと、魔物のランクにもEとかあるんだな。


「けど、3人はいいの? 一応3人が倒したってことになっているのよ?」


「問題ないですー。むしろ私達が倒したっていうのが嫌ですよー」


「できないことを出来ると思われる方が怖い」


「だな。死ぬだけだ」


 それはよくわかるぞ。アリス達、特にアリス、俺は誰にも負けないと過大評価してそうだしな。


「そう、いい経験をしたようね」


「もう経験したくないですー」


「同じく。だから魔石を売って分ける」


「その魔石はライク達が大半だからな」


「じゃあ、ランクEの魔石2個で銀貨10枚ね」


「じゃあ、5人だから2枚ずつでいいな」


「そうだね」


「「「違う(よー)(……)(だろ)」」」


「(また、ですか)」


 また量が少ないなどで揉めた、もちろん俺達のだ。なので、その分借りを大きくすることで納得してもらった。


「さて、ランさん達の話は終わりね。次はライク君達の冒険者登録ね」


「はい。お願いします」


「よろしくお願いします」


 ミナネさんから冒険者について詳しく説明された。まず、カードを渡された。これは冒険者のランクを示す物であり、個人を特定し、金などを預ける、引き出すことに使う。ただし、国ごとにカードが違うらしく、この国で作ったカードは他の国では使えないそうだ。なので、別の国に行く場合、お金は引き出して置かないと使えないし、ランクも一番下からやり直しらしい。


 次は、ラン達から聞いた機器を渡された。大きさは手の平ほどで、腰などに付けていればいいらしい。この機器にもランクがあるらしく、EからSまであるそうだ。冒険者ランクに応じて渡され、ランクによって魔石の値段も高く売れる。だがその分、魔石が出来るまで時間が掛かるらしい。


 後は、冒険者ランクがある、ランク別に依頼がある、依頼の達成度でランクが上がる、素材の売買、上位ランクほど報酬がいいことなど、基本的なことを教えてもらった。


「こんなところかしら、質問はない?」


「はい。大丈夫です」


「私もありません」


「じゃあ、これを書いてね」


 名前、職業、性別などが書かれた紙を渡された。


「それに書いたものがカードに写るからね」


 俺は書き進めたが、職業の欄で少し迷った。


「どうしたのー? ライク君」


 ランが聞いてきた。ラン達は帰ればいいのに俺達を律儀に待っていた。


「いや、職業は武闘家なんだが、剣術も多少できるからどうしようかと思ってな」


「……? でも、剣持ってない」


「持ち歩いてはいないんだ。大事な剣ってのもあるんだが、脆いからな」


「それは、使えるのか?」


「ちょっと特殊でな、俺以外には難し––––」


「いつまでやってんだ! さっさと済ませろ!」


 そうこうしていると後ろから怒号が飛んできた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ