第2章
第2章です。是非読んでみてください。
第2章
さっきまで俺は恭二に殺されそうになった。そして沢山傷つけられた。その傷を治すために俺は今、病院にいる。すると俺の担当医がいった。
「少し検査をします。今夜は入院して下さい。彼女さんはどうしますか?」
「んー今日は帰ります。少し疲れちゃったし。という訳で帰るね和人君。また明日くるね。大好きだよ」
何故だろうか。ほんのかすり傷なのにまるで俺がすぐに死んでしまうかのようにビクビクしながら言った。だから俺は榛菜を安心させるように
「あぁ、また明日。今日はありがとな。俺も大好きだぜ」
と言った。無言で榛菜は出ていった。そして俺の担当医も自分の持ち場に戻った。取り残された俺は1人で病院器具の無機質な音を聞いていた。
ピコンピコン、ビー、カチカチ…
そして俺は眠りについた。
その晩、俺は夢を見た。目の前には泣きじゃくる榛菜、俺の左手には血塗れの刃物、周りには沢山の死体。それは一体なんなんだろうか…?
次の日の朝、午前9時に榛菜がきた。目と目が合った瞬間に急な吐き気を催した。そしてこれまでの2人で過ごした記憶が走馬灯の如く走り抜けた。何故だろうか。そして俺の見た事のない姿をした榛菜が見えた気がした…
「どうしたの?和人君?」
榛菜が心配そうな顔をした。でも凄い吐き気がよぎったのはさっきの一瞬だけで今は何とも無い。だから俺は
「いや、何でもない」
とだけ答えた。それから1時間後俺は退院した。
「どこか寄ってく?私久しぶりに和人君とお出掛けしたいな〜」
「あはは、いいよ!どこ行く?」
「ん〜水族館!!」
「え!?今から?」
「うん!!」
「よし、行くか!!」
ドクン、ドクン
まただ、俺の知らない姿の榛菜が脳裏に浮かんだ。
「またボーっとして!!もぉ仕方ないなぁ、はいお弁当!食べて食べて!!」
「おお、美味そうだな!!じゃあこの唐揚げ貰おうかな」
「うん!!」
すると榛菜の目が恐怖の色に変わった。俺はすぐに後ろを向こうとした瞬間、後頭部に『ゴン』と鈍い衝撃がはしった。
「く、クソ、やばい意識が段々遠のいて…く、る…」
この展開もう2回目だよ。デジャヴかよ!!とか思っちゃったよ。耳元で榛菜の泣き叫ぶ声が聞こえた。『泣くなよ』っていう前に俺の意識は遠のいていった。
…目が覚めた。これは夢か?現実か?ええい、この際そんなことはどーでもいい。
「さっきまで俺は榛菜と弁当を食べて気を失ったんだな…でもこれは見知らぬ天井?」
「あ、目が覚めました?」
声のした方向を向くとそこには女がいた。
「榛菜!?」
「はい?確かに私は榛菜ですが…あなたと会ったのは今日が初めてですよね?」
「え…?だってさっきまで….」
(顔立ちとかは榛菜そのものだ。でも服装や家の雰囲気は違うな…よしっ!!定番のあのセリフをいってみるか)
「あの〜今って何時代でしたっけ?」
「何言ってるんですか!!今は江戸の幕末ですよ!!」
「え、江戸の幕末!?何で!?俺はさっきまで平成にいて病院から退院したばかりだろ!!」
「あ、あの〜?大丈夫ですか?倒れた拍子に頭でも打ちました?」
「い、いえ。こちらの話なので気にしないで下さい。助けていただきありがとうございます。俺は和人と言います」
「和人!?」
「どうかしました?」
「い、いえ…何でもありません」
榛菜はそう言った。でも彼女の顔には明らかに驚きの色があった。
「出会って数時間の人に言うのも何ですが実は俺行く宛が無くて…だから当分ここに置いてくれませんか?」
「え…?ああ、良いですよ、住んでるのは私1人ですから」
「ええ!?良いんですか?初めてあった男を家に入れるなんて…家族の方だっているだろうし」
「いいんですよ…父や母は三年前に他界しましたし、去年には兄が死にましたから」
「そうですか…あ、そういや何でさっきオレの名前を聞いて驚いたんですか?」
「え、ああそれは、私の死んだ兄と同じ名前で顔立ちもよく似ていましたので…」
榛菜は泣いていた。俺は一体どうしてここにいるのだろうか?そんなことを考えているうちに今日が終わった。
続く
第2章読んで頂きありがとうございます。ここをこうするといいなどの意見お待ちしています。ガンガン下さい。皆さんに楽しんでもらえるものをかきたいです。投稿は不定期ですので次回をお楽しみに