第一話 「プロローグ長すぎてほぼ第二話だよね」
_____目を覚ますと、祖父の顔がドアップで私の目の前に迫っていた。
「うわわわわわわわわ!」急いで飛び起きて後ずさる。
辺りを見渡すと一階の寝室のようだった。「おお…大丈夫か?」心配そうに私の顔を見つめる祖父に大丈夫よぉと返しつつ、どうして自分がこんなところで寝ているのかを考えた。
うん、そう__確か_____「ああああああああああ!!宇宙人!!どこ行ったの!?あれ!?」突如大声を上げた私に、ぽかんと口を開ける祖父、大声に驚いて慌てて部屋に入ってくる祖母に対して私は「あれはどこに行ったの?おじいちゃん達も見たんでしょ?」目を点にしながら互いに顔を見合わせていた祖母と祖父だったが、「こりゃ、倒れた時に頭でも打ったな」「嫌だわぁ…大変…病院に行かなくちゃぁ…」などと私の正気を疑っている。
まずい、このままだと病院行きだ。
「違うの二人共、ほんとに私、みたの。ねぇ、信じてよ。」私が真剣に言うと「……わかった」「信じてくれた!?」「お前さんが見たのはでっかい虫じゃないか?それか入り込んできた狸かな?」…だめだ、まったく信じようとしない。
だがよくよく考えてみれば当たり前のことだ。二階で倒れていた孫が急に、私宇宙人見たの~みゃは☆なんて言ってきたとして私が二人の立場のとき信じるだろうか。いや信じない。だからここは大人しく…「確かに狸だったかも…いや…猪?」と、自分の非を認める。すると青ざめていた祖母が「なーんだぁ。勘違いね、都会の方ではあんまり大きい動物がおらんもんで見間違えたのねぇ」と、急に元気になり捲したてた。私は心の中ではそれを否定しつつ、頷いた。祖父も安心したような顔になり「涼架ちゃん、疲れとったんだな。」と頭を撫でてくれた、が、な~んか納得いかないなぁ…とこっそりため息をついたのであった。