クッキング?
前回は短かったので、今回は多めです。
「それはさておき双葉よ。お主は料理をできるか?」
「まあ、材料があれば」
そういえば昔、手料理を家族に振る舞ったら気絶したなあ。
俺はなんともなかったんだけど。
「よーし、なら私が狩り担当で、お主が家事担当じゃ」
「分かった。それじゃあ、早速夕食でも作るか。材料は適当に使うぞ」
「構わんぞ」
俺はキッチンに向かって火を着けようと思ったのだが、着け方がわからない。
板しか無いんだが。おい待てどうやるんだこれ。
「あのー、イータさん。どうやって火を着けるんでしょうか」
「む?魔法道具なんじゃから普通に魔力を通せば⋯⋯レベル0じゃったな」
「レベル0ですね」
「なんとかならんのか?」
「世界の法則で不可能だってのにどうしろと!?」
「なんかいい感じにやるのじゃ!」
イータが後ろでチアガールみたいに踊っている。
応援しているんだろうか。
いや、応援されたところでどうしようもないんだが。
「んー、そもそも魔力の使い方から知らんのだが」
「それは教えてやろう。今からお主に魔力を流し込む」
「えっ?」
俺が立っているとイータが何かを拳に集中させて殴ってきた。
すると俺は壁に吹き飛ばされた。
「どうじゃ?何か感じたか?」
「ああ、感じたよ。⋯⋯痛みをな!?何急に殴ってんの!?」
「魔力を流し込んだだけじゃ。体に違和感があるはずじゃぞ」
言われて気付いたが、確かに全身に何かがまとわりついているような感覚がある。
なるほど、これが魔力か。
ふむ、霧みたいな感じだな。そこにあるんだけど、何も感じない、みたいな。
「てか、さっきの威力はなんだ」
「《魔力強化》じゃよ。全身の魔力の流れをコントロールすることで身体能力が上昇する」
「俺もできるのか?」
「できるのではないかのう。これは単純な魔力操作じゃから」
「どうやるんだ?」
「まず、全身に魔力が流れているイメージをしろ。魔力はイメージでできている。
イメージがしっかりしていなければ、成功はしない」
「魔力が、流れているイメージ」
その時、俺は何かを感じ取った。
まるで体の一部かのように、全身を駆け巡る魔力を理解した。
なるほど、面白い。
「そのまま流れを加速させろ。早く、速く、ひたすらに」
俺は言葉通りに実行する。
「ふむ、一発でできるとはの。十分じゃ。そのまま流れを戻せ」
「なるほどね。ありがとう」
「どういたしまして」
「そういえば、《魔力強化》は地上付近で解除されるの?」
「む?試してなかったのう」
「やっぱ無能」
「なんじゃと!?」
その後イータに火を着けてもらい、料理を始めた。
オムライスでも作ろうか。
雑談をしながらオムライスを作っていく。
雑談中に聞いたのだが、今日は3月27日らしい。
⋯⋯地球の日本と同じ日付だ。
しばらくして出来上がった料理を二人で食べた。
するとイータが気絶してしまった。
「ありゃ、やり過ぎた」
俺が料理をするとこうなってしまう。
どうやら料理が美味すぎて舌から感じ取る電気信号がオーバーフローするようだ。
なので普段は半分程度の実力で料理しているのだが、今回は張り切って八割程で料理をした。
それでもやり過ぎだったようだ。
「はッ!?」
イータはガバッと起き上がるとオムライスを凄い速度で食べ始めた。
少し冷めて味が落ちたらしい。
そのおかげで気絶しないで済んでいるようだ。
「ぷふー!満腹じゃ!!」
「ほっぺに付いてるぞ?」
俺はイータのほっぺから米粒を取って食べる。
「ふぇあ」
「どうした?顔が赤いぞ」
「な、何でもない!!お風呂に入ってくるのじゃ!!」
イータはパタパタとどこかに走り去ってしまった。
ここってお風呂あるんだ⋯⋯。
どうやってお湯を沸かしてるんだ?
魔法道具ってやつか?
食べると気絶するレベルの料理かぁ、食べてみたいなぁ。
あと、マナちゃん可愛い!




