EP.31 二人の救世主
前回のあらすじ!
死を覚悟したオーゴを救ったのは、謎の超巨大ビームだった!!
そのビームの出処を辿ると、そこに居たのは...
悪王討伐遠征7日目....
「あ、どうも」
「あ、ども」
僕はピンクのツインテール少女と、挨拶をした。
いや、本当は挨拶なんてしてる場合ではないハズなんだが。
こんな素性の分からない二人組、シオンの時同様、悪王側の人間とも限らない。
けど、絶対絶命の僕を助けてくれたピンク色の光線、あれは確実にこの二人の方から出現した。つまり、この二人は命の恩人....
ならば警戒するよりも、まず感謝か?
と、最近の若者にしては礼儀を弁えている僕は、二人への感謝を口にしようとした。
「あ、あのう、もしかして、さっきの悪獣を倒してくれた光って貴方達が....?もし、そうならお礼を__」
と、頭を下げようとした僕を、少女が止める。
「あー、礼なら、このぶっ倒れてるバカに言ってあげてー。あの目に悪いビーム、コイツのだから。....それに、お仲間も来たみたいだよー?」
少女は僕の後ろを指さす。
僕が振り向くとそこには、さっき逃げやがったクレマと、クレマの『巻戻』で元気になったであろうシモが立っていた。
「あ!クレマ、シモ!!よかった~、シモ生きてたんだ!!...ってかクレマ!お前が逃げたせいで僕、あとちょっとで死ぬところだったんですけど!!」
「あ?生きてたからいいだろ。」
「謝罪もなし....!もう怖い!僕この子怖い!」
そんな戦慄してる僕を無視し、クレマが自分勝手に口を開く。
「んな事より、この二人は誰だよ?さっきの馬鹿みたいに眩しい光線もコイツ等の仕業か?」
と、クレマの怪訝そうな質問が聞こえたのか、さっきの少女が、仰向けで倒れたままの青年を引きずりながら、話し始めた。
「アタシの名前は、『アリウム』。で、いまアタシが引きずってるコイツは、『ブロウ』。まぁ名前なんかどうだっていいかもしれないけど、アンタ達の敵ではないよー。」
(僕たちの敵じゃない?まぁ実際僕を助けてくれたし、悪王側の人間ではなさそうだけど...)
と、二人の正体が余計分からなくなった僕は黙ったが、クレマがすかさず少女.......いや、アリウムに質問をした。
「ウチらの敵じゃねぇってんならお前らは何者だ?こんな森の中で何してんだ?」
「だーかーらー、警戒しなくていいって。アナタ達も、悪王討伐のパーティでしょー?」
「!!」
このアリウムと名乗る少女は、「アンタ達”も”」と言った。
つまり.....
「アリウム....さん、”も”ってことは、もしかしてあなた達二人も__」
正直、こんなことは想像だにしていなかった可能性だ。
すると、アリウムはブロウを引っ張る手を止め、腰に手を当てて口を開いた。
「そのとーり。アタシ達も、悪王討伐遠征中ってコ・ト。」
そう、この二人は、同業者だったのだ。
クレマ「マジか....」
シモ「え?じゃあ戦れるって事?」
オーゴ「シモは一回黙ってくれ。」
こうして、僕たちは初めて、自分達以外の悪王討伐パーティと遭遇したのであった。
「とりあえず、このブロウ運ぶの手伝ってくれるー?」
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その日の夕方......
「いやぁ!改めて、昼は僕の事を運んでくれて助かった!要は、マジでサンキューってことだな!!はっはっは!」
ブロウと紹介されたその青年は、満面の笑顔で大きな声を張り上げた。
(このザ・体育会系って感じ、なんか父さんの事思い出しちゃうな....)
僕達5人は、今同じ焚き火を囲んで夕食の準備をしていた。
「では!!今日は僕が採っておいた、秘蔵の特上キノコ飯を振る舞うぞォー!要は、顔合わせ記念ってやつだ!いいよな?アリウム!?」
ブロウは五月蠅いほどの高テンションのまま、キノコを取り出し、料理を始めようとした。
一方、アリウムはというと....
「や~ん!何この子!めっちゃ可愛いんですケドーー!!キノコなんてどうでもいいから、アタシの夜ご飯はこの子がいいー!!」
「じゃあシモと戦って、シモの事殺せたら食べてもいいよ!」
アリウムはシモの外見に射抜かれてしまい、さっきからずっとシモに抱き着いている。
だが、それでもシモは相変わらずの調子だ。
「シモめ....女の子に抱き着かれてあんな飄々としてるなんて許せない.....!僕ならもっとこう、下からグイっと...__イダッ!」
「オラ変態王子、手ぇ空いてんなら湯ゥ沸かすくらいしやがれ。」
「すごいな!アリウムのこんな表情、見たことないぞ!!僕にはいつも発芽したジャガイモを見るような表情しかしないからな~!はっはっは!!」
こうして僕たちは予想外の人達と出会い、いつもより愉快に.....いや、騒がしく夕食の準備を進めたのであった。
続くッ!!
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