第十五話 隅田川夏恋話
前回のあらすじ
隅田川花火大会Wデートが約束された源。
そしていよいよ花火大会当日...
2017年 隅田川花火大会当日 日本橋
時刻は午後五時。
今日は隅田川花火大会当日....。
(う~、やっぱり緊張してきた~!けど、家であんなに確認したんだもん....!きっと大丈夫!....けどこの浴衣やっぱり丈が短すぎたかも~....)
なんてぐるぐる考えながら、私は小走りに待ち合わせ場所の日本橋へ向かう。
(....あ!いたいた!)
数メートル先に見慣れた顔が3つ。
源と稲葉君と真紀だ。
(な~んだ、私が最後だったのね。)
「お~い!みんな~!待たせちゃってごめーん!」
私の呼び声に真っ先に気が付いた源がこちらを振り向く。
今日は源も和服姿で、なんだかいつもと印象の違う彼の姿がカワイイようでカッコイイ。
「おー!愛日も来たなー!」
「あー!愛日、浴衣姿めっちゃ可愛いじゃーん!」
「ふむふむ、少し丈が短い気がするが、それはそれで....。」
「おい優人、愛日に色目を使うんじゃねぇ。」
「あははは」
友達って、こういう人たちのことを言うんだろうな。
...けど、今の私はその輪の中に居れる。
とても心地のいい空間。
心から笑える人達、心から愛せる人。
私の掌光病なんて、全く関係のない世界。
ふと、笑っている源と目が合う。
「ね、ねぇ、源。その、似合ってるかな...?」
_______________________________________________
くちびる、慣れない紅さして貴方が待つ日本橋へ
友達譲りお古の浴衣、少し丈が短すぎて
淡い絞り夕顔の模様
「よく似合うよ」と言いながらも貴方笑いこらえてる
人の波、右左避けながら歩く貴方の後ろ
まるで雀みたいにチョコマカついてく私忘れないで
貴方時計見て心配ばかり
浅草で買った飴色の髪飾りに気がついて
先行く貴方の後ろ姿、どうにも詰まらぬ私の隣
膨れっ面でカラコロカラコロ足早に一尺一寸近づいて
ユラリユラリと走る地下鉄に揺られて不意に背中押されて
思わず腕につかまり嬉し恥かしこのままでいきましょ
隅田川
改札くぐり抜けて上がれば目の前に隅田川
「まだ時間あるね」と言って貴方背中向け歩きだした
急に人混みに消える姿
泣きそうな気持ち駆け出してギュッと掴んだ帯の縁
「スミマセン!」を繰り返し唱えて進む仲見世~浅草寺
まるで流れに逆らい泳ぐ迷惑な二匹の金魚
貴方賽銭を放り投げて
ささやいた恋の願い事、私顔が赤らんだ
からかわれむきになり言い訳にした二人を照らす夕陽
プイっと拗ねたふりして困らせてみせた一分一秒長くて
いぢめた詫びに買わせた苺カキ氷少し塩っぱい涙味
繰り返し思い出し嬉しさ誤魔化しそろそろ戻りましょ
隅田川
夜空に咲く炎の華
キラキラ水面に映る燃える光の赤や青や紫
胸を揺らす轟音夜空に咲きます一尺三尺弾けた
夏が終わっても、来年も、その先も、五年、十年経っても
いつまでも貴方と一緒にと願って叫ぶ玉屋!鍵屋!
見上げて見惚れて溶けた苺カキ氷流れて足濡らして
ハンカチ出し拭いてくれた優しさ嬉しこっちを見ないでよね、隅田川
夜空に咲く炎の華
よければ評価、感想をお願い致します。




