表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ハンリベ  作者: 今木照
銃と悪、君と夏
43/101

EP.15 必殺!剣投背中斬ッ!

前回のあらすじ


森の中で遭遇した謎の二丁拳銃男。

彼は自身を、「悪王の幹部」と自称した。




国歴248年  悪王討伐遠征3日目




「『悪王の幹部』ってとこかな!ハハ!」



シオンと名乗る男は、その言葉の意味とはかけ離れた表情で笑った。



「ど、どういう事だ....、悪王の手下は、悪獣じゃないのか...?なんで生身の人間が...?」



「知るかよ!そんな疑問後だ!どっちにしろコイツはたった今ウチらの敵になったぜ....!」



僕とクレマがアクションを起こせずにいた中、一番最初に行動を起こしたのはやはりシモだった。



「よし!じゃあ攻撃していいよねー!?」



シモはそう言い終えるやいなや、僕が指示して持たせておいた石を投げた。


シモの「爆破」の掌力を使用した石を。


その石は、弧を描いてシオンの元へ近づく。



「Hmm....石の投擲か。この石にはまず何かしらの力が込められているのだろ?」



シオンはそう言うと、その年齢からは考えられないような機敏な動きでバックステップをし、投げられた石から距離を取った。


そして案の定、シモの投げた石はシオンの前で起爆した。


という事は、奴にこの攻撃は届かなかったということだ。



「ほう!爆破の力か!シンプルだけどパワフルだね!今度悪王に報告しておくよ!」



「おおー!この間戦ったジンマ?って人より戦えるね!」



シモは戦闘中に一番楽しそうな顔をする。


その理由は、コイツがただ戦闘狂なだけか、それとも前に言っていた、『殺されたい』という目標の為か、分からない。


それでも、シモは相手が強ければ強い程、出し惜しみなく、貪欲に勝とうとする。


だから僕たちは、彼に背中を預けられる。



先程の攻撃を避けられたシモは、さらに追撃をしようと動いていた。



「でもさ!避けてるだけじゃ勝てないよ!!」



そう言うと、今度は三つの石をシオンに向けて投げた。


その三つの石はばらけながらもシオンの元へと降り注ごうとしている。



その時だった。



シオンが両手で銃を構えたのは。



「バァンバァンバァァンッ!!!」



三つのけたたましい銃声が森に響いた。


それは目にもとまらぬ速さで繰り出された、一瞬の出来事だった。


シオンの数メートル手前に、打ち砕かれた石がパラパラと降り注ぐ。



「嘘だろ....、あの一瞬で正確に三つの石を撃ちぬいたのかよ....。」



クレマがサングラス越しに目を見開いて驚いている。


銃を扱ったことのない僕でもわかる、圧倒的な技術。



「今度は二十個くらい投げなよ~。まぁ、そうしたら避けるけどさ!はっはっは!」



シオンはまだまだ余裕の表情で大笑いしている。


コイツは間違いなく強い。


だが、僕の新技を試すにはちょうどいい相手かもしれない。



「あーあ。石が粉々になっちゃったら起爆できないじゃーん。....あれ、次はオーゴが攻撃する?」



シモは残念そうにため息をついていたが、僕が鞘から剣を抜いたことに気づいたようだ。


そろそろ僕もカッコいい所を見せておかないとな。



「....シモ、僕がこの間言ってた、『ズガーーン!!』ってやつを見せてあげるよ。」



「え、本当!?いえーい!」



シモは嬉しそうに目を輝かせて僕を見る。


しかし、横に居たクレマは怪訝そうな表情をした。



「いや、あれはデタラメだろ....?」



たしかに、あの時は記憶を失ったシモを納得させるために言った低レベルな嘘だった。


しかし!今回僕が開発した必殺技を繰り出せば、シモを満足させることはできるであろう。



僕は膝を曲げ中腰になり、かつてジンマから教わった居合の体勢を取って、剣を腰の横に構える。


後は呼吸を集中させて、斬る対象に狙いを定める。



「シモ、クレマ、見てろ。これが僕の必殺技!『剣投背中斬(けんなげせなかざん)』だァ!」



「いやダサ。」



僕は腰をひねって遠心力を生み出し、剣を横回転のブーメランのようにシオンに向けて投げた。



「ヘイ!その構えから投げるのかよ!」



シオンは僕にツッコミながらも、その半身を逸らし、いとも簡単に剣を避けて見せた。



しかし僕の『剣投背中斬(けんなげせなかざん)』はこれからだ。


今のうちに近くの雑草を引きちぎり、手の中に握りしめておく。


そして....



「剣なんか投げても何にも....アレ?いない。」



飛んできた剣を避けたシオンが僕たちの方へ向き直る。


しかし、もうそこに僕の姿はない。



それもそのはず。



僕は避けられた剣と入れ替わり、シオンの背後を取っていた。


さらにさっき千切って手の平に持っていた草を、もう一度剣と入れ替える。


相手に剣を投げるだけの技だと思わせ、そこから入替で背後を取り、死角から斬るのがこの必殺技。


(決まった...!)



「背後、取ったりっ」



僕は勢いよく、シオンの背中に向かって剣を振り上げた。


よければ評価、感想をお願い致します!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ