第十四話 男の友情、女の友情
前回のあらすじ
愛日を隅田川花火大会Wデートに誘うことに成功した源であった。
一時間後..........
「それでね!この間見つけたスカートが本当に可愛くて、ほら!これ見て!」
「ほんとだ~!これ、どこに売ってたの!?」
「これはあの駅前の~」
キャッキャウフフ
凄い。
女子の仲良くなるスピードはすさまじい。
男二人は喋り疲れて黙ってジュースを啜っているというのに、彼女たちの女子トークは終わる気配がない。
俺と優人は目くばせをし、同時に離席した。
「あ、あの~、お話し中スミマセン....。俺達トイレ行ってくるね.....。」
優人が、会話の銃弾戦を繰り広げている女子二人の間に、一瞬だけ分け入って一声かける。
しかし当然、優人のその一言はミジンコレベルの影響力も与えられずに、どこかへ消えていった。
「あ、うん。行ってらっしゃい!それで、愛日は浴衣とか持ってる?」
「え~!持ってな~い!」
「あ!じゃあさ!私の家に何着か浴衣あるから、どれか貸してあげるよ!」
「え!?本当!?真紀大好き~!」
「あはは~、全然いいって~」
ガッチャン!!
女子達の話声がトイレのドアに遮られる。
「はぁ~」
「ふぅ~」
男子トイレに入った俺と優人は、同時にため息をこぼした。
「すげぇな、女子って。一時間前まで初対面だったのに、もう俺らより仲いいんじゃね?」
「.....だな。」
俺はトイレの壁の黒いシミを眺め、優人は鏡で自分の顔を眺めていた。
「ふぅ~」
「はぁ~」
とりあえず今日の俺らは、あの女子トークに入る余地がないのだろう。
それだけは、もう決定されたこの世の理だ。
「.....まぁ今日の目標である、『愛日ちゃんを花火に誘う』は達成したんだ!まずはそこを祝おうぜ!」
「あぁ、確かにそうだな!こればっかりはお前に感謝するしかねぇ!」
俺たちは安っぽい芳香剤が香る狭い男子便所の中で、熱い熱い握手を交わした。
そうだ!俺たち漢の友情があれば、どんな困難だって乗り越えられるのだ!
ここまで来たら俺が見据えるものはただ一つ!
愛日との恋愛成就のみ!!
俺は未来への希望を信じ、不安や心配を高らかに笑い飛ばした。
「わっはっはっはっは!!」
「お!源も乗ってきたな!あっはっはっはっは!!」
______________
一方女子チーム.....
<ハッハッハッハ
「男子トイレから奴らの笑い声が聞こえてくるわ.....。」
「男子って単純で楽しそうよね~。」
「そう?馬鹿なだけでしょ。」
「でも、愛日は山根君のこと好きでしょ?」
「!!?ちょ、ちょちょちょ!え!?なんで!?」
「そんなの見てれば分かるって~!」
「っ~!!な、内緒よ!真紀!」
「分かってる分かってる。愛日は可愛いな~。(山根君も絶対愛日のこと好きなのにな~。じれったいな~。夏祭りで絶対くっつけてあげなきゃね!優人君!)ふふふっ」
「あ~!今意味深な笑い方した~!」
「そんなことないって~。ぷっ、ぷぷぷ」
「ほらまたした~!!」
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