第四話 娘と願いと
「すごい、、」
時代錯誤の騎士さんは、そう呟くとその場に倒れた。
「おい、大丈夫か!?」
俺は騎士に駆け寄り抱き抱える。
その手には大量の血が付いている。
「これは?」
よくみると騎士の左腕は千切れかけていて皮一枚で辛うじて繋がっている状態だ。
「お父さんどうしたの?」
セナも心配して駆け寄ってくる。
「これはかなりやばいかもしれんな、なんとかしてやりたいが病院もないし連絡手段もない。」
「とりあえず、止血しないと!」
セナは騎士の傷口を確認して素早く止血を施す。
さすが看護学生だな。
我が子ながら感心していると、事態は急変していた。
「ダメ、時間が立ちすぎてる、とても手に負えない。」
セナの言葉に俺は呆然とする、これが現実とは思えない。
「死んじゃダメ!!」
-----------【金蘭之契】----------
今度はセナから白い煙が立ち上がる
お前達どうしちゃったの?
頭が混乱していると、騎士の腕がくっついていく。
その後腕は元通りとなり、騎士の顔色も回復していた。
「とりあえずは、どうにかなったのか?」
誰にともなく俺は確認の声をあげた。
まだ騎士は眠ったままだ、このままにもしておけない。俺は騎士を担いで騎士の飛び出してきた方向へ歩き始めた。
子供達の変化にも、父として動揺する姿を見られるわけにはいかない。
汗だくの背中も騎士の姿で隠されていた。