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転生家族〜異世界で主夫しています〜  作者: mikami_h
第二幕 友と友情の物語
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第三十五話 試練と成長と

ドン!!ガガガガガ、ガン!


部屋のあちこちで激しい音が鳴り響く。

動き出した人形は俺たちに狙いをつけて、手に持つ武器でそれぞれ攻撃を開始する。

マグネスやマレット、俺は三人ばらけて人形の周りで応戦した。


「ダメじゃ、この先に扉があったがビクともせんかった。まずはコイツをなんとかせんとな。」


マグネスが叫ぶ。

入ってきた扉も閉ざされ先へも行けず、やはりボスからは逃げられないのか。


「今までと同じなら、やっぱり今回も宝石砕かないとダメだよな。」


俺は、人形にはめ込まれた四つの宝石を見て言う。


「サイズもデカいから、攻撃も今までと違って重い。無理に受けるとこっちが潰されるぞ。」


マレットは人形の剣を自らの剣で受け流して叫ぶ。

力と引き換えに素早さは低くなっており、攻撃を避けるのは造作もなかった。


カーーン!!バキッ!


マグネスが杖で人形の足を狙うも、堅い音が響いて人形はビクともしなかった。


「やはり今までの人形と作りが違うわい、杖と共に打ち込んだこっちの手まで壊されそうじゃ。」


マグネスは二つに折れた杖を捨てて逃げまどう。

素手では人形の攻撃を防ぐことはできず、避けるしかない。

そんな、マグネスに人形の二本の腕が迫る。


最初にマグネスの上からハンマーが襲う、自らを覆う黒い影に気づき急いでハンマーの落下地点から退避する。

だが、その動きを読まれ避けた地点に今度は斧が振り下ろされた。


「爺さん、危ない!!」


俺はマグネスを助けるため、がむしゃらにハンマーを人形の腕目掛けて振り下ろす。


ガン!!ビキビキッ!


横からの一撃で斧の軌道がわずかに逸れる。


「ふぅ、助かったわい。」


自らの真横に転がる斧を見てマグネスは戦慄する。

ピキキキ!!

ハンマーで叩いた人形の腕に亀裂が走る。


「これは?いけるか!?」


俺は力を込めて再度同じ場所をハンマーで砕く。

カンカン、バキ!

腕の亀裂はだんだんと広がり、ついには人形の腕の一つを打ち砕いた。


「やったぁ!ざまぁみろ!」


俺は砕いた腕を踏み潰しながら言い放つ。


「ゲンさん、敵は狼狽えてる。たたみかけるんだ!」


マレットが叫ぶ。

俺は落ちている人形の斧を手に拾うと、そのまま右肩の宝石を狙う。


ブォン!ガキン!!


大振りした斧は、人形の肩を宝石もろとも砕きもう一本の腕も再起不能にする。


「よし、これで腕は二本だけじゃ!」


マグネスも興奮して叫ぶ。


『れべr @2ぶ!!』


俺の脳内にまた音声が響く、それと共に体が軽くなるのを感じる。

もしや、成長してるのか?


「いまはこいつを片付けるのが先だ!」


俺は、軽くなった体で跳躍するとその勢いは人形を飛び越えるほどだった。


飛び跳ねた調子に人形の首を斧で跳ねる。

バランスを失った人形はなす術なく、地面に倒れた。


「ずごい、どうしちゃったんだゲンさん!?」


マレットはボー然とする。


「気を抜くな!早くトドメを!」


マレットとマグネスはハッとして、それぞれ残った肩と胸の宝石を砕いた。

俺は、残った頭の宝石は手で剥ぎ取った。


「取ったら光を失ったな。どんな仕組みなんだ?」


俺は宝石を見ながら呟く。

すると奥の方で扉が開く音がした。


「どうやらこれで先へ進めるようじゃな。」


マグネスは扉の先を覗き込んで応える。

扉の先は階段になっていて、さらに地下へと下っていた。

階段の先には細い通路があり、脇には燭台が飾られていた。


「なんか神々しい作りになってきたな。」


マレットが言う。

まさかこの先に魔王とかいないよな、俺は嫌な予感がしつつも先へ進んだ。


「また、扉か。」


マレットは扉を前に立ち止まる。

先ほどの扉よりは小さく、作りも質素だった。

俺たちはお互いを確認するように小さく頷くと、扉を押して中へと入った。


「これは、祭壇?」


俺は部屋の奥を見て呟く、部屋はそれほど広くなく、奥には祭壇らしきものが飾られている。

マグネスが脇の燭台に火を灯し、辺りを照らし出す。


「ふむ、これは創造神を祭ったものらしいのぉ。しかし、打ち捨てられて久しい物じゃ。」


辺りを確認していたマグネスが答える。


「カシロフが信仰している神様か?」


俺はマグネスに尋ねる。


「いや、坊主の神さんとは違う、古い神の一種じゃ。今では信仰してるものなど皆無じゃろうて。」


マグネスは答えた。

その時、祭壇が眩い光に照らされた。


『おーーい、ワシの声きこえてる?』


そこに姿を現したのは俺を転生させた自称神だった。

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