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消えた夕日  作者: 夢見いちろう
1/2

出会い

はじめまして。夢見いちろうです。

実は僕、音楽をしていましたゆえ、作ったオリジナル曲の歌を舞台に小説を作る決意をしました。

初心者ゆえに誤字や表現が伝わりにくいかもしれませんが、読んでいただけたら光栄です。

プロローグ


なにもかもが通りすぎてく

この街の景色や、思い出。


吐く息は白い遠くどこまでも

街を赤に染める夕日傾きはじめた。


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1話 出会い


- - - - - - - - - - - - - -- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -


「それでは○△高校推薦面接を始めます。」


頭がツルツルで面長、眼鏡をかけた

40代後半だろうか、、


男性にしては少し甲高い声が特徴の

面接官の言葉で張りつめた静寂が壊された。


「あなたの名前を教えてください。」


少しおどおどした僕は面接官の

喉元めがけ声を張りあげた。


「はい!坂崎(さかさき) 悠詩(ゆうし)です。」


あとは誰しも想像通り

入学の志望動機、部活のことなど


そんな質問に考えぬいた回答を

一字一句間違えないように面接官の

喉元めがけてぶつけるだけだ。


「坂崎くん 君の将来の夢は?」


............。


「はい!僕の将来の夢は高校卒業をし、安定した仕事に就職することです。」


それを聞いた面接官は

「なるほど。では最後の質問です。

安定した仕事につき何をしたいのですか?」



............。


そんな質問は用意してなかった。

ヤバイ、、、


少し頭を下げて考えて僕はこういった。




「えー。はい!僕の父母に親孝行がしたいです。」



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面接を終えて。

一礼をしそのまま立ち去るが。


安心してはいけないドアのまえで

面接官に振り向き一礼。


「失礼しました。」


ドアをそーと閉めて、、、



大きく呼吸をして小さく息をこぼした。

「ふぁー。」




廊下にでると折り畳み式の簡易なイスが

教室側の壁側に5つ程並べられていた。



面接待ちの生徒たちは

みなそれぞれ緊張した面持ちでいた。



そのなかに

ガクガクと体を小刻みに貧乏ゆすりをしながら待ってる坊主頭が目に入った。


加藤(かとう) (しげる)だ!



その坊主頭は僕をみるなり

小刻みに揺らしてた体を止め右手でコイコイと呼んでみせた



「おい。悠詩!面接はどうだった。」


やつは、左手を口元にあて、小さな声でひそひそ話した。



「緊張して、あんまり覚えてない。

というか、お前大丈夫か?緊張して体震えてるけど。」



茂は、不安そうな面立ちから驚いたあと

とぼけたような顔に瞬時に切り替えた。



「面接で緊張しないやつなんかいるか?

てか、悠詩お前も人のこと言えるか。ドアのまえで座りながら

両手でお祈りかましてたじゃないか。」



ギクッ、、、



自分の表情の変化を読んだのか

茂はニタニタ口元に笑みを浮かべた。



確かに面接直前、自分は顔のまえで

両手を握りながら不安な面持ちで座っていた。



「うるさいなー。茂、次だろ頑張れよ。」




「次のかたー。どうぞー」

教室からはドアを通し、あの甲高い声が廊下に響きわたる。



「おうよ。行ってくる。」

茂はガチガチになりながら、まるでロボットのように

ドアまで歩き。


トントン、、「失礼します。」


教室のなかに入っていった。





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それから2ヶ月後の12月


学校に登校中、あの坊主頭が僕をめがけ走ってきた。



「おーい。悠詩!高校行ってもよろしくなー」




そう僕と茂は、○△高校を推薦で見事、合格した。


「おう!よろしくー。」




茂は話を終えると、僕を追い抜き学校へと走りさった。




キーンコーンカーンコーン、、。



チャイムがなりやみ、あたかも狙ったかのように

なりやみとともに教室のドアが開く。



顧問の藤田が教壇に立つと同時に


起立、礼、着席



昨日(さくじつ)、全校一斉に推薦入試の合格発表がありました。

合格した人も、そうでない人もこれからは一般入試が控えています。

気を引きしめて、勉強に望んでほしい。以上!」



起立、礼、着席



「おーい。坂崎!話があるちょっと来なさい。」


朝礼が終わりなぜか、呼び出しをくらった。

藤田がいる教壇におそるおそる近づくと藤田は口を開いた。



「推薦入試合格おめでとう。よく頑張った。」

 


「ありがとうございます。」



「それでひとつお願いがあるんだが、卒業式の合唱の指揮者を坂崎、きみにやってほしいんだがどうかね。」



「いやっ、そのー」



「君なら指揮者、できるよね合唱コンクールで指揮者の経験もあるし」


つまりはこういうことか?

君は推薦で合格、卒業までは3ヶ月もある。

他の生徒は入試で勉強に明け暮れる毎日。

暇な自分なら、指揮者できるでしょっとでもいいたいのか。いやっそういうことだ。





「先生。伴奏者は誰になるんですか?」



「まだ決まってないが、ピアノが引けて推薦合格した生徒になるな。」



悠詩は考えた、、。

どうせ、家に帰っても暇だし部活もない

ピアノが弾けるってことは伴奏者は女子生徒になるはず。

最後の3ヶ月を放課後女子と過ごせるいいじゃないか!!



そう悠詩は以前もそんな理由で合唱コンクールの

指揮者を、引き受けたのだ。



「わかりました。指揮者やります。」

ちっ。合格祝いに買ったタツノコファンタジー8やる時間が、、。

悠詩は心のなかで静かに舌打ちをした。



それを聞いた藤田は

「おう。そうか!よろしく頼んだ。伴奏者が、決まったら早速放課後練習をしてもらう。」



- - - - - - - - - - - - - -- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -



それから3日後、終礼




キーンコーンカーンコーン



藤田「、、、、以上。」



終礼が終わった。

クラスメイトたちは塾に行ったり、自宅に帰宅したり

だがやつはそんな微妙な緊張した雰囲気を持ち前のハイテンションで

ガラリと変えてみせた。そう、茂だ。



「おーい!悠詩お前、聞いたぞー卒業式の指揮者やるんだろー。」



無邪気でどこかイタズラっぽい顔が覗きながら問う。



「そうだよ。」



「やっぱり悠詩はスゲーな俺は、絶対やれない。卒業式には父ちゃん母ちゃんもくるんだぜー。」



「まー。でも、合唱コンクールでも慣れたし大丈夫。」




茂はまだニタニタを辞めず。続けた。



「でも合唱コンクールで一緒だった美花と一緒だけは免れたいな。」



ギクッ、、。。



「うるせーな。やべっそれ考えてなかった。」




そう下心丸出しでやった中2の合唱コンクール

美花が伴奏者をやると決まり。


指揮者は誰がやるかって時に即効、手を挙げた。




練習を重ねる度、より美花を意識してしまうようになり

合唱コンクールが、終わった翌日。


告白をした。



美花「ごめんなさい。私、好きな人がいるから、、、。」


見事に失恋を果たした。




「あの時、めっちゃ俺に相談してたな。まー、美花は確か推薦落ちたらしいから伴奏者にはならないはず。」




わかってて、いじりやがったなコイツ!腹がたった悠詩は

茂を捕まえ自慢の坊主頭にげんこつグリグリをかました。


「イテテテっごめんごめん。わかったわかったもうしないから」




「おーい!坂崎!なにやってんだ。」



藤田の声が聞こえた。



とたんに茂は一目散に逃げた。


「悠詩じゃーな。」 



あのやろうー。



「坂崎!そういえば伴奏者が決まったらしい。

決まったばかりでクラスが別だからまだ誰かわからないが視聴覚室に行って待っててくれないか。」



「えっ。はい。」




藤田から視聴覚室の鍵が渡され、急で驚いたが

とりあえず3階の校舎の東側一番端にある視聴覚室を目指した。




鍵を空け引き戸を開けると、教室とほぼ同じ広さで

黒板とピアノだけがある空間が広がっていた。


教室と違うところといえば、黒板の前は

2畳、10㎝程の高さの台があるとこぐらいだ。



暇なのでピアノでも触るかと思いピアノの椅子に腰をかけたその時。



ガラガラガラ、、、。



隣のクラスの顧問 鷹見(たかみ)が入ってきた。


「坂崎くん!卒業式伴奏者連れてきたよ。」




、、、、、、。




悠詩はドキドキした。

そう悠詩はこの時をずっとじっと待っていたのだ。

突然すぎる、出会いに心は奪われていたのだ。




視聴覚室に入ってきた伴奏者は、、。



伴奏者、、、。ドアの隙間 鷹見の後ろに少しみえた、、。



ガラガラ、、。トン。




あ、、、、、。



男!!?



しかも、よりによって、、。




菊川(きくかわ) (たける)



よりによってこの男が伴奏者なんて!!。



菊川 武この男は

自分がふられた美花に告白され


その美花をふった男だ!

しかも、加藤 茂の1つ下の妹 加藤(かとう) 志穂(しほ)にも告白されその志穂もふった。


いわばモテ男そして悠詩にとっては敵のようなやつだ。




というかコイツはピアノを、弾けるかがまず疑問だ。

中学の時、一度も伴奏をしたこともないし。



サッカー部で、フォワードをしてたイメージしかない。




「おう!坂崎!」


悠詩の気持ちも知らず、意気揚々と武は声かけた。



「おう!」


鷹見は手に持っていた指揮棒と譜面をそれぞれ渡した。


「はーい。指揮棒は悠詩くん。譜面は武くん。

練習時間は18時までで終わったら鍵は職員室まで返すように!」



その言葉をいい放つと、鷹見は視聴覚室のドアを閉め

そそくさと帰って行った。



えぇーーーー!!

頭の中にいろんな感情が沸き立った。



まず!女子と放課後楽しく過ごす計画はことごとく打ち砕かれた。

これなら、指揮者断って家でのんびりポテトチップスでも食べながらタツノコファンタジー8やればよかったー。




そりだけではない、男でもいいが

よりによって何で、コイツと3ヶ月も放課後練習しなきゃいけないんだ、、。



中学最後の青春が完全に終わった、、。

悠詩は完全に指揮者をする意味とやる気

そして、卒業までの青春を諦めた。




そんなことをよそに

武はピアノに座り譜面をおいた。


「ふーん。なかなかのピアノだね。どーれ。」



卒業の課題曲は「旅立ちの日に」

突拍子もなく武はいきなり、ピアノを弾き始めた。



伴奏は静かに繊細に視聴覚室にこだました。

優しい音色が耳に響き渡った、、。



歌いだしの伴奏にさしかかりゆっくりと音の強弱が

ささやかながら感じとれる。



しろい光のなかに山並みは燃えて

はるかな空の果てまでも君は飛び立つ~。


果てしなく青い空に心震わせ

自由をかける鳥よふりかえることもせず。


勇気を翼に込めて希望の風にのり

この広い大空に夢を託して。


サビにさしかかる手前

始まっていた伴奏の強弱は最大の音の塊となって。

からだ全身を突き破った。まるで音の世界のようだ。



しかし、突然 武はそこでピアノを弾くのを辞め僕をじっと見つめた。



今、視聴覚室にあるのは

先程までの音の世界は枯れはて、これから起こるであろうことを

じっとまつ予言者と唖然とし、立ち尽くす僕二人だけだった。



僕はあわてて指揮棒を握り1、2、3、4と合図をした。

指揮は止まった世界を復元させ視聴覚を音の世界に変えた。




これが、伴奏者 武と指揮者 悠詩の出会いだった。












































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