天才詐欺師の予測
ブックマークが増えたので急遽作りました
ありがとうございます
黒雲の放った言葉で配下達が息を呑んでいた。
もし、黒雲の言った事が全て正しいとしたら紅葉は周囲が思う以上に天才で危険な思想の持ち主と言う事だ。
それにこの程度の事を造作もなく行っている所を見るとまだ策があるのではないかと周囲は考えてしまう、そしてそれを考え、想像をしたら恐ろしく軽く恐怖したのだ。
そしてその周囲の状況を見てから数分置いて黒雲は再度口を開いた。
「恐らく紅葉達の軍勢は80万を超える。」
驚愕だった、自分の考えて居た最悪のケースを簡単に超えて来たことに失笑を覚える位圧倒的だった。
歴史に残るノルマンディ上陸作戦では連合国側の動員数は約17万5000と言われている、それに対して紅葉の軍勢は80万これだけでどれ程差が生まれているのかが明白だろう。
しかし、その発言には疑問を生む余地が在った。
『そんな数を動員できるのですか?』
素朴な疑問だが確信を突いていた。
戦争は各地に人員を動員する、その為一か所に大量動員する事はまず無いからだ。
もし、それを行ったと仮定したら戦線に穴が生まれそこから突破されてしまう。そうなれば本末転倒である為この疑問が生まれるのだ
「それは大丈夫だろう、恐らく戦線には戦略的詠唱本が用意されている、そしてここで言う戦略的詠唱本はヒッグス粒子の詠唱本だろうな。最初のクレーターを作った魔法が恐らく初実験、2回目の地震を起こした魔法が詠唱本で出来るかを調べたんだろ」
詠唱本とは魔力を通す事によりその本に書かれている魔法回路に魔力を巡らせ魔法を放つ物だ。
大抵の詠唱本にはこれに詠唱短縮や労力の軽減、その他etcの要因が入っている。
簡単に言えば家電に近い、魔力が電気だとしたらその電気を家電に入れると使用可能になる。その感覚だ。
そしてこれが意味する事はその詠唱本が配置されている所はどこでも隕石を落とす事が出来ると言う事だ。高度な魔法が構築されている詠唱本は使用出来る者が少数だったり大量の供物が必要な場合があり容易ではないがその欠点があったとしても効果は確実だ。
『成程、それがあるから割く人員が多くなる訳ですね・・・』
「それに民主主義の弊害もある。民主主義では戦争が現実的ではなくなる、その所為で相手国の国民を心配して取れる手段を取らずに作戦の選択肢が減ったり予想以上の人員を動員して後々大量のPTSDを生み出す。」
『と、言う事は・・・。私達のダンジョンを攻略して国力の違いを見せ付けて降伏させる事を名目に人員を大量に動員させるって事ですか・・・?』
「恐らくな」
黒雲の言葉は息を吐く様に静かく軽い物だった
しかし、レイニアムが黒雲の言っていた言葉を思い出した
「勝てる作戦があるのじゃろ?この前お主が言っておった作戦じゃ」
「そ、それは・・・」
黒雲の言葉が詰まった、普段は流暢に余裕を常に見せている黒雲からしたら考えられない事だ
焦る様に黒雲は手元にある紙を漁り沢山の情報を集めようとするが気が動転していて紙を大量にばら撒くだけに終わってしまった
それをレイニアム達が心配する様に拾った
黒雲はその配下達の姿を見ている事しか出来ず右往左往するだけだった
「「・・・・・・!」」
『ん?何かあったんですか?』
紙を拾っている最中にレイニアム達の表情が一瞬変化した見逃さなかった
そしてそれをいきなり指摘され軽くレイニアム達は驚いた
「あ、あぁ。こ、これだよこれ!」
そう言いプリントを数枚捲り一枚の紙をテーブルに置いた
『これは・・・』
「恐らく作戦じゃな」
『琥珀さん、これは何ですか?』
「俺が最初に考えてた作戦だ、だがここまでの人員を導入されると勝てるかは博打だな」
黒雲の声には自信が無かった
当初は20万人程度を想定していた作戦だったが予想をはるかに上回り4倍の80万人だ。自分の作戦に自信が持てないのは仕方が無いだろう
『どうしますか琥珀さん。この作戦で行くんですか?行かないなら3日以内に新規作戦を』
「お前達はこれで良いと思うのか・・・?」
「何を言っているのじゃ?童達はお前の作戦に付いていくだけじゃぞ?お主の作戦で負けるとは露にも思わぬし反論何て論外じゃ」
「俺も同じです。勝てるビジョンしか見えません。俺らは駒です好きなように使ってください」
「お、お前達・・・!」
黒雲は配下の言葉に不覚にも自信を取り戻させられた
その目に涙は無いが新たな決意といつもの余裕を感じさせる目に成った
「作戦はこの紙の通り。異論はあるか?」
「無しじゃ!」
「無い!」
『ありません!』
「では出撃だ」
どうでしたか?
今回は短く纏めました。内容的にはあまり言う事は無いですね、ただ大抵の読者さんからしたら予想通りって感じですかね?でも急いで作ったので少し荒いので分かり辛いかもしれません。その時は気軽に教えてください。
最近感想で少し難しいと言われたのでそう感じている読者様は教えてくださると嬉しいです
最悪設定上の矛盾だとしたら早めに修正しいたので面倒かもしれませんが教えて頂けると嬉しいです
その中で作者も補完して置こうと思った感想があれば活動報告に纏めます
ブックマーク、感想、レビュー待ってます
ではまた次回