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01:我が人生に一塊の悔いあり

 「おい、しっかりしろ洋介!今救急車呼んだからな!まだ死ぬなよ」

 

 死ぬ?ははっ、何言ってんだよ、まだくたばるわきゃねーだろ……あれ?なんで声でねーんだ?

 それに、なんか視界が半分真っ暗だし、何かが体の上に乗っかってる気がするな……あぁそうだ。たしか仕事が終わって帰ろうとしてたら上から鉄骨が降ってきたんだっけ?

 たぶんそれの下敷きになったんだな。たぶんだけど、もう助からない気がするな……これだけ酷いことになってんのに痛みは全然感じないし、走馬灯っていうのかな?今までの記憶がどんどん溢れ出してくるんだ……

 

 俺、愛宕洋介あたご ようすけは高校生の時に異世界へと勇者として召喚されたことがある。

 なんてことのない、よく携帯小説なんかで書かれているような、魔王が倒せないので勇者であるあなたを召喚しました。どうか魔王を倒してください。なんていうようなテンプレもの勇者召喚ものそのものの話だった。

 当時、超のつくほどのお人よしであり厨二病が完治してなかった俺はその頼みを快く引き受け、結果半年かけて魔王を討伐することに成功した。

 都合のいいことに、魔王の城には俺のいた世界に帰ることができる魔法陣があった(どうやら、魔王は異世界を征服した後は俺たちの世界に侵攻してくる気だったらしい。)ので、魔王を倒した後は無事自分の世界に帰ることが出来た。

 その後帰った世界では新年を迎えようとしており(俺が異世界に行ったときは8月の終わり頃だった。どうやら異世界の方が1.5倍の速さで時間が経過しているみたいだ。)授業がわけ分からんとこまで進んでいたり、友達に引きこもりになったとか思われていてからかわれたりと苦労はしたが、何とか無事に進級、卒業、大学入学と順調に人生を歩んでいき、就職後には5歳年下のかわいい嫁と結婚して二人の子供(男と女の双子だ)も設けた。

 今思えばあの時が一番幸せだった。

 その後は俺の就職した会社が倒産し、そのことで荒れていた俺は酒におぼれ、子供と嫁に暴力をふるうようになり、結果子供たちが3歳の時に離婚した。

 それからの俺は子供たちの養育費を払うために友達の勤めている建設会社へと再就職をさせてもらい、毎日毎日必死で働いた。

 たぶんそれで嫁と子供たちへの罪滅ぼしがしたかったんだと思う。

 でもそれはやっぱ偽善でしかないわけで、俺は毎日苦しかった。

 何度も何度も謝ろうとして、でも恨み言を言われるのがすごく怖くて、結局謝罪することはできなかったんだ……

 きっとそんな臆病ものの俺に罰が下ったんだろうな。

 そういえば鉄骨が落ちてきた時、隣に再就職しないかと誘ってくれた友達がいたな。

 小学校の時からの腐れ縁というやつだが、どうやら下敷きにされる直前に俺が突き飛ばしたことで間一髪危機を免れたようだ。よかった。

 こいつには何とかお礼を言っておかないとな……もうちょい持ってくれよ、俺の体……


 「ぶじ……みたい……だな……よ……かった。」

 「洋介、大丈夫か!もうちょいで助けられるからな!それまで頑張れよ!!」

 「あり、がとな……おまえの、おかげで……ここで、はたらけ……ゴフッ」

 

 咳き込んでしまい、最後の方はうまくしゃべれなかった。血を吐き出したみたいだ。

 友達は泣きながら俺の顔を覗き込み、叫んでいる。


 「おい!んなもうすぐ死ぬようななこと言うなよ!」

 「これで……おま……えへの……おんは……かえ……せたかな」

 「ばかやろう!そんなの気にしてんじゃねぇよっ!」

 「しぬまえ……に……かえせて……よかった。けど……あいつらに……あやまれ……なかったのは……こころ……のこりだな」

 「そうだよ、おまえいつも謝りてぇって言ってたじゃねぇか!こんなとこで死んでどうすんだよっ!」

 「すまん…………かった…………な…………」


 どんどん意識がなくなっていく。いよいよ死ぬのかな、俺…………

 

 「ばかやろう…………俺に謝ってどうすんだよ…………」

 

 すまんな………ってまた謝っちまったな、聞こえちゃいないだろうけどな……

 この人生では後悔ばかりだったけど、つぎの、じんせいでは……くいなく……いきられたら……いいなぁ…………

 

三点リーダーが多くなってしまった……

あと主人公しゃべりすぎだな、わかってるから突っ込まないでおいてくれるとありがたいです(笑)

不定期更新になるので見る方は期待しないでまっててください 

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