さっと茹でるだけ
掲載日:2026/05/14
「さっと茹でればいいのよ!」
姑がいつも私に言ってきた言葉だ
私の料理に難癖つけては、最後に決まってこの言葉を言う
うどんを作った時
「さっと茹でればいいのよ!」
野菜炒めを作ってみたら
「さっと茹でればいいのよ!」
ステーキを焼いても
「さっと茹でればいいのよ!」
もう限界である
私は包丁を握りしめた
しかし
姑はぽっくりいきやがった
心臓麻痺だった
「どうせなら私の手にかけてやったのに」
姑を火葬することになった
「…実は、火葬の値段が上がっておりまして。」
「油が入ってこないものですから」
なんで、あんな姑に死んでからも高い金を払ってやるのか
「…さっと茹でればいいのよ」
私はつぶやいた
それから大声で笑った
姑は高いお金をだして、きっちり全部灰にしてやった。




