65.
【☆★おしらせ★☆】
あとがきに、
とても大切なお知らせが書いてあります。
最後まで読んでくださると嬉しいです。
大蛇の振り下ろす太い尾を弾き返し、ギデオンは大剣を深く突き立てる。
互角以上の戦いであった。皇帝の圧倒的な武力は、神話級の化物すらも確実に押し留めつつあった。
「いけるっ。このまま押し切るぞ」
ギデオンが勝利への確信を抱いた、その時である。
視界の隅に、逃げ遅れて茂みで震える村人たちの姿が映った。
「ひぃ……」
「なんだありゃ……」
「に、げ……」
「ジュラララアアアアアッ!」
大蛇が標的を変え、無防備な村人たちに向けて死の猛毒ブレスを吐き出した。
「くっ……!」
ギデオンは迷うことなく地を蹴り、彼らの盾となるべく真っ直ぐに飛び出す。
「ひぃいっ!」
「逃げろっ。早く行けっ!」
悲鳴を上げる村人たちを庇い、ギデオンはその巨体で猛毒のブレスを真正面から浴びた。
「が……!」
ジューッという肉の焦げる悍ましい音が全身から響き、強酸の毒が容赦なく鎧と肉体を溶かしていく。
村人たちが無事に逃げ去るのを見届けると、ギデオンの足からついに力が抜けた。
ガックリと項垂れ、たまらず膝から崩れ落ちる。
(やばいな。さすがに、もうだめだ)
全身の神経が毒に侵され、指一本動かせない。
(だが……良かった……守れて……)
村人を助けなければ、ここまで深手を負うことはなかった。だがそのことに、ギデオンは後悔はなかった。
弱者を救う。そのために力を使う。それは愛する女から学んだマインド。だから、それを実行できて、ギデオンは満足であった。
大蛇がトドメを刺そうと、大きく鎌首をもたげて迫ってきた。
(ここまでか……すまない、ミシェル……)
命の危機が迫っていても、彼の心の中は穏やかだった。
(俺が死んでも……大丈夫だ。ミシェルがいる。あいつがいれば……この国は大丈夫だ……だから……)
どがぁんっ!
鼓膜を揺らす強烈な爆発音が轟き、すさまじい閃光が大蛇を大きく弾き飛ばした。
もうろうとするギデオンの体が、フワリと宙に浮き上がる。
「間に合ったみたいだね」
すぐ横には、杖を構えた大賢者ピクシーが立っていた。
そしてギデオンの巨大な体を『お姫様抱っこ』でしっかりと受け止めていたのは、重力軽減の魔法具を輝かせるミシェルであった。
「助けに来ましたよ、【貴方】」
冷徹な事務官ではなく、一人の妻としての深い愛情に満ちた甘い声。
美しい女神の微笑みを見上げながら、ギデオンは安堵とともに静かに意識を手放すのだった。
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