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【連載版】加護なしの第八王女は、前世が社畜だったので王宮生活がイージーモードにしか見えない  作者: 茨木野


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29.

【☆★おしらせ★☆】


あとがきに、

とても大切なお知らせが書いてあります。


最後まで読んでくださると嬉しいです。



 学園長室を占拠したミシェルは、凄まじい勢いで明日の入学試験問題を作成していた。

 隣ではティルが計算魔道具を弾き、インクの掠れる音が部屋中に響き渡っている。


「ミシェル様っ。魔法史と基礎魔導算術の仮問題、あがりましたっ」


「ご苦労様です。次は実技の採点基準表の作成に移りますよ」


 二人は息つく暇もなく、新しい試験問題をばばばっと量産していく。

 紙の束が次々と積み上がり、インクのツンとした香りが鼻を突いた。


 そこへ、部屋の扉が細く開き、何者かが隙間から中を覗き込んできた。

 事前に解答を売って裏金を得ていた無能教師たちである。


 彼らは自分たちの身を守るため、なんとかして新しい問題を盗み見ようと必死だった。

 怪しい視線がいくつも室内を這い回る。


 しかし、ミシェルの傍らのソファで優雅に脚を組んでいたギデオンが、鬱陶しそうにギロリと彼らを睨みつけた。

 皇帝から放たれる圧倒的な殺気と重圧に当てられ、扉の向こうから短い悲鳴が上がる。


「ひぃっ」


 無能教師たちは脱兎のごとく逃げ出していった。

 ドタバタという足音が遠ざかるのを聞き届け、ギデオンは満足げに腕を組んで振り返る。


「どうだミシェル」


「ありがとう」


 ミシェルはペンを走らせたまま、手短に礼を述べた。

 そして、顔を上げずに淡々と尋ねる。


「顔は」


「は?」


「盗み見ようとしてきた人たちの、顔と数は」


 問い詰められたギデオンは、明後日の方向を見たまま無言になった。


「見ていないのですか」


 ミシェルは冷ややかな声で結論づけた。

 ただ威圧して追い払っただけで、誰が何人来たのか全く観察していなかったらしい。


 これが無能の血というやつか。

 ミシェルは深くため息をつき、隣で耳を伏せている部下に指示を出した。


「わかりました、ティル」


「はいっ」


「陛下と一緒に行って、そいつらのリストアップをしてきなさい」


「かしこまりましたっ」


 ティルは背筋を伸ばし、勢いよく立ち上がった。

 だが、ギデオンは不満げに身を乗り出して抗議する。


「俺はお前がいい」


「私、忙しい」


 ミシェルは一切の躊躇なく即答し、再び書類に向き直った。

 見事にフラれたギデオンは、ガックリと項垂れて膝から崩れ落ちそうになる。


「しかたない。行くぞ、ティル」


「はいぃ」


 凄まじく不機嫌な皇帝と二人きりで行動することになり、ティルは涙目で力なく返事をした。

 重苦しい空気を纏う二人を見送り、ミシェルはただ淡々と試験問題を作り続けるのだった。

【おしらせ】

※3/1(日)


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― 新着の感想 ―
最初に想像したクールで格好良い皇帝像からだいぶポンコツな仕上がりになってきたなぁ
教師陣は見た!!『無色』になるかどうかの瀬戸際に立たされてる事を。 ミシェル「無色?あー『無職』でしょう、それだけじゃ『罪は』償えないわよ?」 ギデオン「ウチの『カミさん』に何かしたら、すぐ処刑するが…
( ´-ω-)つ)`д°) /Ф ⊂ ⊂ \ 
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