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雷
森を飛び回っていたホシミの羽に、ひんやりとした風がぶつかった。
ぴとぴと、もぞもぞ——
小さな体が少し震える。
空が急に暗くなり、遠くでごろごろと音が鳴った。
「……雷?」
声に出すと、胸がドキドキする。
光と音が一緒に襲ってくる。
一瞬、空が光った。
ピカッ!
そのあとすぐ、ドーン!
雷の大きな音が森を揺らす。
ホシミは羽をいっぱいに広げ、空にしがみつくように飛んだ。
雨粒がぽつぽつと降ってきて、羽にあたる。
冷たくて、少し痛いけど、命の中で初めて自然の力強さを感じた。
森の匂いは雨で変わる。
土と草の匂いが濃くなり、遠くで草木が揺れる音がする。
風が吹き、羽がふわりと揺れるたび、心臓が跳ねる。
ぴとぴと、もぞもぞ——
怖いけれど、目の前の世界は、これまで見たことのない迫力と美しさに満ちていた。
「わぁ……!」
ホシミは小さく声をあげる。
胸いっぱいに広がる雷の音と光、風と匂い——
怖さと喜びが、混ざり合う瞬間だった。
空がまた明るくなり、雨も止む。
森には、光が差し込み、緑がきらめく。
ホシミは羽を小さく震わせながら、思った。
「この世界は、広くて強くて、でもきれいなんだ……」
ぴとぴと、もぞもぞ——
小さな体でも、確かに自然の中に存在している。
そして、次の冒険へと、心は少しずつ高まっていった。




