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朝露

土の中から、そっと体を押し上げる。

ぴとぴと、もぞもぞ。

茶色の羽はまだやわらかく、体も小さい。


外の世界は、想像以上に光がまぶしかった。

葉っぱに降りた朝露が、キラキラ揺れている。

つめたくて、でも心地よい水の感触が羽に伝わる。


そよ風がふんわり吹く。

湿った土の匂い、草の匂い、遠くの花の匂い…

知らない匂いに、胸がそわそわする。


「わぁ…」

思わず小さな声が出ると、葉の間から光がきらきらと返ってきた。


だけど、ホシミがそっと触れようとした瞬間

朝露はぽたんと落ちて、消えてしまった。


光はもうそこにはなく、葉っぱはただ湿っているだけ。

ほんの一瞬の輝き——手に届かないけれど、心に残る光。



ホシミは、初めての世界に慎重に足を進める。

ぴとぴと、もぞもぞ。

でも、心の奥はワクワクしていた。



今日から、ここがわたしの世界——。


まだ小さくて、まだ弱くて、でも、あたたかい光に包まれて。

土の中で夢見ていた、あの星に出会うための、最初の一歩だった。

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