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06:衣食住の『住』2




長い。遠い。疲れた。


あの後。

手を繋いだ私とディアさんは試験塔から出て、兵士さん達の寄宿舎の傍を通り、貴族街(この国の大貴族の本邸が集まってる場所だって)を突っ切った先にある小さな林の中の家に来ている。


「さぁ、着いた。ここが俺の家だ」

「わぁ・・・」


2階建てで、全体が薄水色をしている。レンガの家特有の優雅さというか柔らかさがあり、質素そうに見えてドアや窓枠には細い模様が彫り込んである。シンプルでお洒落な家だった。

ディアさんの外見からして、もっとこうチャラチャラゴテゴテした家なのかな?と思って

たんだけど、良い意味で期待を裏切られた。庶民の私は、ちょっと前に通った貴族の家・・・あれは家なんて可愛いものじゃないな。あの小さなお城のような場所だったら緊張し通しだったと思う。


うん。とっても素敵な家。


日本に戻れるまで、ここが私の家になるんだ。

そう考えると感慨ぶかくて、じっと『我が家』を見つめた。


私がこの家を眺めている間、ディアさんは何も言わずに待っていてくれた。




ちなみに、私達が飲んでいた紅茶(?)の後片付けはメイドさん達がやってくれたみたい。

私はすっかり忘れてたんだけど、ロッソ君が頭を下げた時に部屋の隅に移動していたらしい。空気の読める有能なメイドさんだ。

閑話休題。




私がディアさんのほうに顔を向けると、にこりとほほ笑んでくれた。ま、眩しい。

気を使ってくれていることは分かったので、私もディアさんに笑い返す。

しかしですね、ディアさん。私にはちょっと刺激が強すぎますよ。


「たいして広くないが、部屋は用意してある。悪いがそこで我慢してくれ」

「わかりました」


・・・・・・・・・・・・・あれ?『部屋は用意してある』って、いつそんな連絡してたんだ?

あ、ロッソ君が知らせてくれたとか?でも、怒られに行くっていってたし・・・?

・・後で考えよう。それでも分んなかったら聞けばいっか。


ディアさんが先に進んでドアを開けてくれた。レディーファーストだ!


家の中は薄い色を基調とした家具が、いつか見たモデルルームのようにお洒落に配置されており、それぞれの物が大切に遣い込まれているのが分かった。この家に住む人の暖かさを感じる部屋だ。

私はより一層この家が気に入った。ディアさんってセンスいいんだね。


「まず、ここがリビングだ。歩いてばかりで疲れただろ?案内する前にお茶でも飲もう」

「!やった!!ありがとうございます」


私が何も言わなくても疲れていることに気が付いてたのか。

は!これがあの噂に聞く心理眼!さすがディアさん!!






○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●






ディアさんはまたあの何とかの実を濾した紅茶を出してくれた。しかも今度はお茶菓子付きだ。一口大のクッキーのようなもので、バター(たぶん)がたっぷり入っていて物凄く美味しい。何個でも食べられちゃうよ!

ちなみに、このクッキーもディアさんの手作りらしい。ほんと、良いお嫁さんになれるよね。


「よし。そろそろいいか?」

「はい!御馳走様でした!」

「おう」


ささっと、私の分の皿とコップも持ってディアさんはキッチンに入って行った。この部屋のすぐ隣に大きなキッチンがあるのだ。

料理は作るのも食べるのも好きなんだって。


「じゃあ、まず1階からな」

「はい」

「1階はここと隣のキッチン。で、ここの廊下の奥にあるのが客間だな。まぁ、使う機会はほとんどないんだが・・・・。一応見ておくか?」

「見たいです!」

「たいしたモノじゃないが・・・」


またもや、ディアさんのレディーファースト。

なんか私、日本に戻ってやっていけるかな。お嬢様癖がつきそうだ。頑張れ庶民魂!


「おぉ~」


いままで居たのが暖かくて優しい部屋だとしたら、ここは他人行儀で厳粛な感じ。

10畳くらいの部屋にごつくて高級そうなソファーが向かい合うように2つ。額縁の中には種類の分からない薄紫の花の絵。足を柔らかく押し返してくるのは焦げ茶色の柔らかい絨毯。これまた高そうだ。

なんて言うか・・・・・この部屋では、ちょっと騒ぐのも躊躇われる。私ここ無理だ!無駄に緊張しそう。


「ここには食べ物持ち込めませんね・・・」

「なんでだ?」

「だってこれ、零したら大惨事ですよ。弁償できないです」

「あぁ、ヒナには無理だな」

「・・・」


無一文だもんね。



1階は結局リビング、キッチン、客間、空き部屋2つの計5部屋だった。

一部屋一部屋が広いんだ、これが。もしかしなくともディアさんお金持ち?


「まぁ一階はこんなもんだな。二階行くぞ」

「はーい」






○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●






階段を上ると、ドアがたくさん並んでいた。

一階とは違って個室専用の階みたいだ。


「奥から、空き部屋、空き部屋、書斎、俺、フィオリル・・・で、ここがヒナの部屋、空き部屋な」


階段の前から一歩右にずれた場所。

私は一人っ子で自分の部屋を持っているんだけど、何だかワクワクするというかドキドキするというか・・・・・。ここが私の部屋かぁ。


「中でフィオリルが部屋を整えてくれてるはずだ。入るぞ」

「!フィオリルさんに会うんですか!?ちょ、ちょっと心の準備が・・・」

「何言ってるんだ。行くぞ」

「ひぃ~」


フィオリルさん・・・・・

どんな人なんだろうなぁ






ヒナがやっと部屋の前まで辿り着きました。

長かった・・・・・(´∀`;)


今週からテスト週間に入るので更新がものすごく遅れます


ごめんなさい;;

見捨てないでいただけると嬉しいです(´・・`;)



お気に入り登録本当にありがとうございます!



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