03:召喚式の歴史と改めましてこんにちは
謝罪を終えたロッソ君が元の席に着いた。心臓に悪いからもうやめてね。
「ここ百数年はないですけど、昔は間違えて召喚とかよくあったらしいですよー」
「昔は今ほど召喚式のことを解析出来てなかったからな。何が出てくるか分からないなか、文字通り命を懸けて召喚してたわけだ」
「今回の貴女ように人の形をしていて、話も通じて、意思疎通もできる。これはその時代の召喚師にとったら奇跡にも等しかったんですよ。出てくるのは殆ど言葉も通じない化け物ばっかりだったらしいですから」
「な、なんでそんな怖い事続けてるんですか?やめればいいじゃないですか」
何をさらっと言っているのか。
命懸けって、何人も死んでるってことだよね!?こわっ!
「ん~まぁ、そうなんですけどー」
「もともと召喚式は異世界の者を召喚するために作られたものではないんだ」
「え?」
「この世界には精霊と呼ばれるものが存在している。それを呼び出し、姿を形成し、契約するために考案されたのが召喚式だ」
「つまり!精霊を召喚した筈がよくわからない謎の生命物体がでてきちゃったーってことです」
「ええ~。なんですかそれ・・・。ていうか、やっぱり精霊いるんだ」
精霊かぁ~
一度でいいから見てみたいな。やっぱり美人さんなんだろうな。ふふふ
「なんだ?お前のところにも精霊がいるのか?」
「あっ、いえ、精霊はいないんですけど、お伽噺っていうか、伝説というか。物語の中にいます。ほかにもエルフとか、ゴブリンとか・・・・・え~っと、後何がいたっけ・・・・あ!ドラゴンとかも全部空想上の生き物です」
「物語の中・・・か。ゴブリンが何か分からないが、エルフとドラゴンはいるな。ほかにキラウルフとかケヴィクとか・・・・知ってるか?」
「いえ、そこらへんはサッパリ」
「へ~おもしろいですね」
ロッソ君はにこにこしながら、そんなことを言う。
ゴメン。何が面白いのかお姉さんには全く分からないよ。
「今更なんだが・・・」
「?はい、何でしょうディアさん」
「お前、名前はなんて言うんだ?」
「!!」
「あ、」
し、しまった!自己紹介するのを完璧に忘れていた。
ここに連れてこられてからすぐにロッソ君が謝ってきたから頭からすっぽ抜けていたみたいだ。
うーわー!私の馬鹿!そうだよね!名前わからないからディアさん私の事ずっとお前って呼んでたんだよね!ごめんなさい!!
あわあわしている私の眼の前で、ロッソ君も今気が付いたという顔をしている。
「ご紹介がおくれました!わたくし、佐久間陽菜っていいます!宜しくお願いしまする!」
やばい!焦り過ぎて変な日本語になっちゃった!なんだ、しまするって!
「サクマ・ヒナか。サクマが名前か?」
どきっ
な、なんだ、なんだ。ディアさんに名前呼ばれると変な感じがするぞ。
あれか!美人マジックか!ディアさんの声すごくかっこいい。・・・物凄く私好みだ。
「・・・いぇ、ヒナが名前です」
「ヒナちゃんかぁ!僕はロッソ!よろしくね」
動揺のあまり、無愛想に返事をしてしまった私にロッソ君が愛らしい笑顔を向けてくれた。この子はなんて可愛いんだ!お姉さんの母性本能擽りまくりだよ。年齢たいして変わらないだろうけど。
「よろしくロッソ君」
「うん!」
くっそぅ、可愛いじゃないか!
総合PV900越えありがとうございます!!
嬉しすぎて頭爆発しそうです
週一更新になりそうですが頑張って続けていきますね(´∀`)
※キラウルフもケヴィクも捏造魔物です
ディアさんが自己紹介しなかったのは
もう名前知ってるからいいよね?と考えたからです