第6話:入学
「・・・これをもちまして、第73期生、入学式を閉会致します」
聖十字黒白学園の一年の節目は春ではなく冬。
北の国トゲラ帝国は、今まさに雪景色。
空には分厚い灰色の雲、その雲から雪がしんみりと降っている。
人々は厚いコートを羽織り、手袋を着用。
吐息が白い。
まさに“THE・冬”といった感じだ。
そんな中行われた聖十字黒白学園の入学式。
バカでかい敷地の一角にある巨大ホールにて行われた。
ホール内は冷暖房完備、さらに床暖、椅子はモコモコ。
まさに寒さ対策は完璧といったところ。
学園長のなが〜い話がメインだった入学式が終わり、スイナは椅子から立ち上がった。
(う〜・・・暖か過ぎて眠い・・・)
ぐいっと伸びをして、頭の思考を切り替える。
学園は全3学年構成。
入学には年齢関係なし。 学年は一年に一度、各学年での授業の単位を取り、進学試験に合格した者のみが次の学年に行ける。
そして、今期の入学生(一年生)は、聖剣師20名、全2クラス、各クラス10名に振り分けられた。
魔法師は28名、全2クラス、各クラス14名に振り分けられた。
つまり、今期の一年生は全4クラス、48名が入学したのだ。
(え〜っと、確か私は・・・“黒の二組”だったっけ)
スイナはとりあえず、学園内の案内掲示板を頼りに一年生教室棟へ。
(白の一組・・・白の二組・・・黒の一組・・・黒の二組、あった!ここだ!!)
一年生教室棟の一番端っこ、ここにスイナの教室があった。
(・・・・・なんか、緊張するなぁ〜)
教室には前と後ろの二カ所に扉がある。
そのうちの後ろの扉にスイナは手を掛ける。
教室の中からは、物音一つしてこない。
「スゥ・・・ハァ・・・・・」
とりあえず深呼吸。
スイナはしばらく黙り込んだあと、覚悟を決めて扉を開けた。
ガラガラガラっ!!
「・・・あ、あの〜・・・・・」
スイナが開けた扉の音に反応して、室内にいた人全員がスイナの方に視線を向けた。
「あ、あはは・・・どうも・・・・・」
皆無言。
(・・・怖っ!!)
皆無言&スイナを凝視
(・・・・・)
何だか凄い圧力で、その場で直立不動になるスイナ。
(ど、どうしよう・・・・・)
クラスにはすでに7人の生徒の姿があった。
男性は5人、女性は2人。
皆、怖そう・・・
「・・・すんまへん」
「うわっ・・・!!」
突然、スイナの後ろから声が。
「あの、ちょっとそこ、邪魔なんやけど・・・」
「えっ!?」
スイナが振り返ると、そこには黒髪の若い男性の姿が。
「あ、す、すみませんっ!!」
スイナはいそいそと道を開ける。
「ああいや、そこまで焦らんでも・・・」
男性はポリポリと頭をかく。
「ああ、もしかしてアンタもこのクラス?」
「え?ああ、まぁそうですけど・・・」
「ほんまに?俺も今日からこのクラスや。よろしくな」
「あ、はい!よろしくお願いしますっ!!」
大声で挨拶するスイナ。
「・・・あはは、元気いいな。俺はクシィ・キルラン。出身はイガサのニボン島っ言うところや。あんたは?」
「私は・・・」
その時、スイナは迷った。自分の出身地を何て言おうかと。
また差別されるかもしれない。
「私は・・・スイナ。スイナ・カタラ、16歳」
結局、出身地は言わなかった。
「ああ、俺は18や。よろしくな」
そう言ってクシィは教室の中へ。
それに続き、スイナも教室の中へ移動。
室内には机が10個、前後二列で5個つず。黒板には「どこでもいいから着席して待機」の文字。
スイナは二列目の一番端っこ、窓際の席が空いていたので、そこに着席。
机椅子は木製。教室内には蛍光灯六本、黒板、ごみ箱、ロッカー以外は何もなし。
正方形の小さめの部屋だ。
(なんか・・・静かだな・・・)
スイナが机に頬杖をついてぼーっとしていたその時、教室の後ろの扉が開いた。
そして、一人の男性が入室。
スイナはその男に見覚えが。
(うそ・・・あれって・・・)
その男性はラスト一個の机、スイナの隣の席に着き、ぼーっとし始めた。
(あ、アイツはあの時の・・・)
その時、男性がスイナの視線に気付き、ふとこちらに視線を向けた。
そして、しばらく何かを考えているかようにこちらを見続け、何かを思い出したかのようにピクッと眉を動かした。
そして・・・
「確か・・・アンタ、一次試験の時のガキか?」
男性―――ウェルクはしらっと話し出した。
作中で書き忘れましたが、学園は全寮制、制服は普通にブレザーにズボン、スカート。
さて、次回から本格的にストーリー始動です!




