プロローグ
初の小説投稿です。
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鈍い音が鳴りお腹に激痛がはしる。
「ハハハッ!この程度か、もっと根性見せてみろ!!」
俺の前では逆立った赤い髪をした筋骨隆々な男が笑いながら立っている。
「もう一本、お願い、します!」
「やるじゃねえか!この調子でどんどん行くぞ!」
そう、俺は今この人に鍛えて貰っている。
この男の人は後で幾らでも治せるからと遠慮がない。
いや、遠慮が無いわけでは無いのだろう。この人からしたら俺が死んで無いだけで十分手加減しているのだ。
はぁ、何でこんな事になったんだっけ…
* * *
同じ制服を着た複数の男女がバスに乗り込んでいく。
先生が出席を確認してバスが発車する。
「はぁ……」
思わず溜息がでる。
今日は修学旅行の日だ。普通の人なら楽しい一大イベントなんだろうが俺は違う。
何故って?ハハハッ!そんな事聞くなよ。友達がいないからに決まってるじゃないか。
友達が居ないと言っても虐められている訳でない。
誰にも存在を認識されていないのだ。
教室の隅っこで誰にも気にされずに静かに過ごす。
そんな毎日を送っていた。
俺だってずっと友達がいなかった訳でない。1人だけ友達と言える様な存在がいた。
しかし、高校に進学するときに別々の学校になり、それから段々と連絡をとらなくなっていった。
ダメだ。こんな事を考えていてもしょうが無い、いつもの奴をしよう。
俺は所謂オタクだ。そして多分、厨二病でもある。
なろうやラノベを読み漁り、もし自分が異世界に行ったらどうするかをずっと考えている。
友達が居なくてオタク、妄想癖まである。更には頭も学年で最下位を争う程に悪い。
自分でも分かってる。俺は最低な人間だって。
そんな事を考えていると突然の浮遊感に襲われた。
「なんだ!?」
慌てて窓から外を見る。
そこには先程まで見えていた山道が見えない。
ああ……俺は死ぬのか……
根拠は無いが自分の命がもう直ぐ終わる事が分かった。
走馬燈のようなものが頭の中でフラッシュバックされる。
この世に残した未練は1つだけだ。
片親でここまで育ててくれた、母親に恩返しをしていない。
もう少し親孝行しておけば良かったな……
――そんな事を考えながら俺はこの世を去った。
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